消費税の納税資金が足りない。そんな事態を回避するために準備をしましょう。

消費税は納税資金の準備が大切です。

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消費税の納税に向けて準備しておきましょう

消費税が5%から8%になり、会社や事業者が税務署へ納める消費税の金額も多くなっています。

税抜きの年間売上が5,000万円のケースでみてみましょう。

消費税率5%の場合、
売上と共に預かる消費税は250万円。
仕入や経費で発生する支払った消費税の割合が50%であれば、
税務署へ納める消費税は125万円。

消費税率8%の場合、
売上と共に預かる消費税は400万円。
仕入や経費で発生する支払った消費税の割合が50%であれば、
税務署へ納める消費税は200万円。

125万円から200万円。
納税額は1.6倍になっています。。

したがって、中間申告での前払いで納付をする際や決算申告時の納税の際、消費税の負担が資金繰りに大きな影響を及ぼすケースも少なくありません。

本来、税務署へ納める消費税は売上とともに預かっている金額のはずなのですが、区別することなく日々の資金繰りの原資となってしまうことがほとんどです。

消費税の納税時に資金繰りの苦労をしないためにも普段から納税に向けた準備をしておきましょう。

消費税の納税で困らないために

消費税の納税で資金繰りに困らないようにするためには、次のような方法があります。

1. 税抜経理にする

消費税に関する経理方法には「税抜経理」と「税込経理」の2通りの方法があり、事業者はどちらを採用してもよいことになっています。

この2つの経理方法の違いをみてましょう。

税抜500円の商品を仕入れ、税抜1,000円で販売したケースです。

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税抜経理を採用して、
常に仮受消費税と仮払消費税の差額を見ておけば、
おおよその消費税の納税額を把握することができます。

現預金の残高から月々の仕入代金、人件費や経費で必要をなる金額を除いて、なおこの仮受消費税と仮払消費税の差額の資金が残っているかどうかで消費税の納税資金が確保できるかを判断することができます。

税込経理の場合、こういった情報は表れません。
消費税の納税額が利益の中に含まれるので、改めて試算しない限り、消費税の納税額が分かりません。

消費税の納税額を把握するための手段として税抜経理を検討しましょう。

2. 納税資金を別の預金口座へ移す

将来の消費税の納税資金を毎月、別の預金口座へ移して、納税額を確保する方法です。

前期の消費税(地方消費税部分を除く)の金額が、
48万円超 400万円以下であれば、年1回、
400万円超 4,800万円以下であれば、年3回
4,800万円超であれば、年11回
の中間申告で、消費税の前払いをしないといけません。

この中間申告として前払いする消費税の金額は前期の消費税額を基に計算されるので、いつ、いくら払うかはあらかじめ決まっています。
したがって、中間申告での納税に向けて月々に確保しておくべき金額も分かります。

また、中間申告の必要がない場合であれば、前年の納税額(前年の消費税が5%と8%が混在していれば増税分を考慮してください)を12で割った金額を月々確保しておけばよいでしょう。

消費税の納税に向けて月々確保しておくべき金額を普段使用していない預金口座や積立定期などの口座に資金移動しておけば、日常の資金繰りとは別に納税資金を確保することができます。

3. 簡易課税の場合は概算の消費税額を毎月計算する

消費税で簡易課税方式を採用している場合は、毎月概算の消費税を計算することができます。

簡易課税方式は仕入や経費で支払った消費税は全く考慮せず、売上で預かった消費税をもとに納税額を計算する方法です。

毎月の売上さえ確定すれば、その月で発生する概算の消費税も簡単に計算することができます。

サービス業で月売上が税込270万円の場合、
270万円 × 8/108 × 50% = 10万円
と消費税の納税額を計算できます。
50%の部分は業種によって割合が異なります。

税込経理であれば
租税公課という経費科目、未払消費税等という負債の科目に10万円を計上します。
(仕訳 租税公課 / 未払消費税等 10万円)

この未払消費税等の金額と資金の残高をチェックしていくことで、
納税資金があるかどうかの確認をすることができます。

4. 仮決算による中間申告を検討する

消費税の前払制度である中間申告ですが、前期の消費税額による金額以外に、仮決算をして納税することもできます。

中間申告の対象期間について仮の決算をして、消費税の納税額を計算することができるのです。

前期に比べ、当期の業績が悪くなっている場合や設備投資などにより支払った消費税が多い場合には、仮決算に基づく中間申告・納税を検討してみましょう。

まとめ

平成29年4月には消費税率が10%へとさらに引上げとなります。

普段から消費税の納税資金を確保する仕組みを用意して、納税資金がない、ということが起きないようしましょう。

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【編集後記】

先週末土曜日は琵琶湖の水族館へ行ってきました。
正式名称は「滋賀県立琵琶湖博物館」です。

水族館好きな息子としては京都水族館に並んで
テンションが上がる場所です。

渋滞などもあり1時間半かけて到着したのですが、、
肝心の水族展示をなぜかかけ足で見て回る息子、
有料ゾーンは20分あまりで終わってしまいました(^^;

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