上場株式を売却して損失が発生した場合の確定申告。損失を節税に活用する場合は慎重に。

上場株式を売却して損失が発生した場合、
損失を活用して節税するためには確定申告が必要です。
さらに申告を繰り越した翌年以降は株式の売買がなくても
申告しないといけません。

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上場株式を売却して発生した損失の活用方法

上場株式を売却して損失が発生しました。
それだけなら確定申告をする必要はないのですが、
その損失を活用したい!
のであれば確定申告をする必要があります。

上場株式の売却による損失の活用方法は次の2つです。

1. その年に発生した株式の売買による利益や配当との相殺

売却により損失が発生した株式を保有していた証券会社と別の
証券会社で保有している株式の配当や売却の利益がある場合、
売却による損失と売却による利益や配当を相殺することができます。

多くの方が採用している源泉徴収ありの特定口座であれば
上場株式の売却による利益や配当からはあらかじめ所得税や住民税が
徴収されています。

上場株式の売却による損失と売却による利益や配当との相殺により、
この徴収された所得税や住民税の全部または一部を取り戻すことができます。

また平成27年中であれば、
非上場の株式の売却による利益と
この上場株式の売却による損失を相殺することもできますので、
非上場株式の売却により発生する税金を抑えることもできます。

2. 上場株式の売却による損失を翌年以降に繰り越す

上場株式の売却による損失を確定申告で申告することにより、
その損失を翌年以降3年間に発生した株式の売買による利益や上場株式の配当による利益と相殺することも可能です。

前年以前の上場株式の売却による損失と翌年以降に株式の売却による利益や配当との相殺により、徴収された所得税や住民税の全部または一部を取り戻すことができます。

上場株式の損失を活用するための手続き

上場株式の損失を活用するために必要になる手続きは次の2点です。

1. 損失が発生した年に確定申告を行う

まず、損失が発生した年に必ず確定申告を行う必要があります。

上場株式を売却して損失が発生した年の確定申告を行うことで、
同じ年に発生した株式の売却益や上場株式の配当等との相殺を
行うことができます。

もちろん損失を翌年以降で活用したいという場合も、
翌年以降に繰り越すという申告が必要です。

特に源泉徴収ありの特定口座で株式の管理をされている方が、
この損失に関する申告を忘れて確定申告した場合、
株式に関しては申告しないという意思表示をしたことになり
後から損失に関する申告をするといったことはできません。

2. 損失が発生した翌年以降3年間は必ず確定申告を行う

次に、損失が発生した翌年以降3年間は申告する必要があります。

注意して頂きたいパターンは、
上場株式の売却による損失が発生した年は確定申告をして、
翌年は株式に関する取引が何もなかった場合です。

この場合でも、
前年に発生した株式の損失を翌々年に繰り越すために
確定申告が必要になりますので注意してください。


上場株式の損失を活用した節税が裏目に出ることも


上場株式の売却による損失の申告や損失の繰越しをしても、
もともと申告の必要のない源泉徴収ありの特定口座で管理している
上場株式の売却による利益や上場株式の配当などと相殺する場合は注意が必要です。

損失と利益や配当と相殺することで、
売却による利益や配当から源泉徴収された税金を取り戻す申告ができます。

ただし、
これで節税ができた、と理解するのは危険です。

次のようなに新たな負担が発生する可能性があります。

1. 配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる

もともと所得が少なく別の家族の配偶者控除や扶養控除の対象となっていた方が、申告不要だった特定口座の上場株式の利益や配当について申告することで新たな所得が増えることになります。

それにより、別の家族の確定申告などで配偶者控除や扶養控除といった控除を受けることができなくなることがあります。

2. 国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料が増加する

1.と同じ理由で所得が増えることにより、所得をもとに計算する国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料が増加する可能性があります。

申告をする本人が会社勤め社会保険に加入している場合は、厚生年金や健康保険料が変わることがありませんが、そうでない場合は注意が必要です。

3. 認可保育園の保育料や児童手当、奨学金などへの影響

こちらも1.と同じ理由で家族の所得が増えることにより、認可保育園の保育料が増えたり、児童手当の制限に該当する、利用している奨学金への影響が出るといったことが発生してしまいます。

4. 70歳以上の方の医療費の窓口負担が増加する

国民健康保険や後期高齢者医療制度の対象者の医療費の窓口負担は、
住民税の対象となる所得や世帯の収入によって1割、2割、3割と決定されます。

住民税の対象となる所得が145万円未満、
住民税の対象となる所得が145万円以上でも、
世帯の収入が520万円未満(単身世帯の場合は383万円未満)、の
であれば医療費の窓口負担が1割や2割となります。

1.と同じ理由で所得が増え、収入の要件も満たさなくなると
医療費の窓口負担が3割に増えてしまうのです。

1.から3.の場合と異なり、収入の要件が要注意です。
1.から3.のケースはあくまで株式の売却による利益や上場株式の配当について申告したケースで影響が出てきます。

こちらは収入の要件があるので、
上場株式を売却して損失の申告をしただけでも、
株式を売却した収入が認識され、窓口負担が3割に増えしまうことがあります。


まとめ

上場株式の損失の活用の際には、
株式の売却の利益や上場株式の配当から徴収された所得税、住民税と取り戻すことだけでなく、配偶者控除や扶養控除、健康保険料、保育料、医療費の窓口負担などへの影響も確認するようにください。

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【編集後記】

昨日は午後から夜まで大阪にいました。
途中、鶴橋駅で途中下車したのですが、
駅のホームまで焼肉の匂いが(^^;

駅の改札を抜けてホームや線路の高架下に出ると
多数の焼肉店や串焼きのお店の煙で真っ白に。

ホームまでいい匂いがする理由が分かりました(^ ^)

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