社員に創立記念のお祝い金を払いたい。税金は引く、引かない?

創立記念のお祝い金の注意点です。

20180119

社員に対する感謝の気持ち

会社が5周年、10周年といった
節目を迎えるときに
経営者のかたが考えることです。

「ここまで来れたのも社員が共に頑張ってくれたからこそ」

「社員に対する感謝の気持ちを表したい」

そんな気持ちから、
社員旅行を企画したり、
食事会などのイベントを
開催したり、
記念品やお祝い金を渡す
といったことを考える
ことも少なくありません。

こんな時に社員が喜ぶことを
考えて実行する場合もあれば、
社員のことよりも取引先や
関係者が喜ぶイベントなどを
優先する場合もあると思います。

経営者の方の姿勢が
問われるタイミングでも
ありますね。

社員に創立記念のお祝い金を払いたい。税金は引く、引かない?

創立記念で社員への感謝の気持ち
として何かをする場合、
必ず喜ばれるのは「お祝い金」を
渡すことではないでしょうか。

1万円、5万円、10万円といった
金額を全員一律に、あるいは
勤務年数や役職別に支払いたい。

しかも、
できればセレモニーとして
現金で支払いたい。

そんなケースがよくあると思います。

で、このときに気になるのが
税金です。

せっかくなら10万円なら
10万円ちょうどを手渡しで
支払いたい、
と考えますよね。

しかし、会社で規程として決めた
結婚お祝い金やお見舞い金などを除いて、
創立記念としてのお祝い金を
現金をとして(商品券も同じです)渡す以上、
所得税や住民税の対象
となります。

だからといって
封筒には10万じゃなく、
10万円から税金を引いた
半端な金額を入れて渡すか、
というとそれも避けたいものです。

では、どうやって支給すると
いいのでしょう。

社員に対してスマートに創立記念のお祝い金を渡す方法

お祝い金の10万円ちょうどは現金で支給する。

同じ月に支払う給与計算や賞与計算で、
お祝い金の10万円を給与や賞与に加算して、
源泉所得税を計算する。

さらに
手取り額から現金支給分として10万円を
控除して差し引き支給額の
銀行振込額を計算する。

これで、給与明細にも記録が残りますし、
年末調整の対象にもなるので
所得税や住民税の計算対象から外れる
といったこともありません。

もちろん、お祝い金を渡すときに
次の給与計算で税金を計算することを
伝えておくことを忘れずに。

税金を引かなかったらどうなる?

とはいえ、
創立記念のお祝い金を
給与計算の対象とせず、
税金を引くこともせず
現金で渡し切りに
していればどうでしょうか。

お祝い金を渡したときには
社員の負担はありません。

けれど、
その翌年、翌々年になって
会社の税務調査があった場合、
税務署から、

「創立記念のお祝い金も給与の対象です。」

こんな指摘を受けることに
なります。

その時になって、
社員から源泉所得税を徴収したり、
住民税を追加で徴収したり・・・。

こんなことは避けたいですよね。

余計なリスクは負わないように
しましょう。

社会保険はどうするの?

もう1つ、創立記念のお祝い金について
税金以外に気になるのが、
賞与として社会保険料の対象になるか、です。

社会保険の考えとしては、
賞与はあくまで労働の対価として
支払われるものという考えがあります。

創立記念のお祝い金は
労働の対価ではなく、
あくまでその時の恩恵として
受け取るものなので、
社会保険料の対象にならない
ことになります。

所得税や住民税の対象になるけど
社会保険料の対象にならない。

注意しないといけませんね。

まとめ

創立記念のお祝い金は
所得税や住民税の計算の
対象になります。

現金で支払うとしても
その月の給与計算や賞与計算で
お祝い金の金額を加えて上での
源泉所得税を
徴収しておきましょう。

一方、
社会保険料は対象にならないので
余分な負担が発生しないように
注意しないといけませんね。

ちなみに、
社員に報奨金を支払う場合の
考え方についての記事も
ありますのでご参考に。

https://balance-blog.com/archives/2381

【編集後記】

昨日は終日、事務所におり
午後はお客様との打ち合わせでした。

お客様の5年後、10年後についての
話になりましたが、
ワクワクする未来を実現できるよう
サポートしていきたいですね(^^)

【昨日の1日1新】
・ASaaS届出書の電子送信

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