相続時に借金があるとどうなるの?

相続時の借金(債務)の取り扱い

相続が発生すると亡くなった方の不動産や金融資産
といった資産だけでなく、借金などの債務も含めて
全ての財産・債務を相続人が引き継ぐことになります。


相続が発生した場合に気になるのは相続税です。
「不動産や金融資産などのプラスの財産」から
「借金などのマイナスの財産」を引いた金額が
相続税の対象の計算対象です。

したがって、借金などのマイナスの財産が多ければ
多いほど、相対的に相続税の負担が少なくなります。

借金が多ければ安心?

では、借金が多ければ相続税の負担が少なくて済む
ため安心なのでしょうか?

相続が発生した場合、財産を引き継ぐ権利のある
相続人同士で財産をどう分けるかの協議
(遺産分割協議といいます)をします。

例えば、相続人が子供3人(A、B、C)だった場合で、
相続発生時の財産が、不動産、その不動産を購入した
時の借金(紐付き借金)、預貯金だった例で
確認しましょう。

相続人の1人Aが不動産とその紐付き借金を相続し、
他の2人B、Cが預貯金を取得することで合意し、
遺産分割協議がまとまりました。

これで、他の2人の相続人B、Cは借金を避けること
ができたのでしょうか。

結論としては、このままだと、もし不動産を取得した
相続人Aが借金を返すことができなくなった場合、
借金の融資元である金融機関は他の2人の
相続人B、Cに借金の返済を求めてくるのです。

借金の相続に関しては、法律上、各相続人が法律で
決められた割合(法定相続分)で共同で引き継ぐこと
になっています。

したがって、預貯金のみを取得した他の2人の相続人B、C
も借金を返済する義務を負うことになります。

各相続人間の遺産分割協議で借金を引き継ぐ人を決めたとしても、
これは相続人同士の間では有効となりますが、金融機関に対しては
有効ではなく、主張できないのです。
金融機関が不動産を取得する相続人Aにしか返済を求めません、
という合意がなければ、他の2人B、Cも借金の返済を求められるのです。

借金が多いことで、相続税の負担が低くなることは
必ずしも喜ばしいことばかりではありません。

どう対応するべきか

では、先程のケース、対応する方法はあるのでしょうか。

もし、借金を引き継ぎたくなので、預貯金等の財産も引き継がない
というのであれば、「相続放棄」という手続きがあります。
相続開始後3か月以内に手続きをすることで借金の返済から
解放されることになります。

しかし、借金の原因である不動産は引き継ぐわけではないのに、
相続放棄をすることには納得いかないというケースがあります。
この場合、他の2人B、Cには借金の返済を求めないようにする
「免責的債務引受契約」を金融機関と結ぶ方法があります。
これにより借金の返済義務が相続人Aのみとなります。

ただし、必ずしもこの「免責的債務引受契約」を金融機関が
受け入れるかどうかは分かりません。
相続が発生する前に、金融機関との間で合意を取り付けて
おかなければなりません。

したがって、これから遺言を残そうとされている方、家族間で
財産の引き継ぎ方について検討される方は借金(債務)の
引き継ぎ方についてよく検討しておく必要があります。

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編集後記

昨日、友人の協力を得て、自身の事務所主催の
相続セミナーを開催致しました。

ご参加頂いた方から、分かりやすかったとの声を
頂けてホッとしています。

それでも事前準備や時間配分など、まだまだ改善の余地
があるので、回数を重ねてより分かりやすい、聞きやすい
セミナーにバージョンアップしていきます。

20141117セミナー写真

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