決算対策として賞与を支給する、をお勧めしない理由

もっと別にできることを考えます

20211216_1

突然、賞与の支給が決まったら驚く

税金対策について解説された
書籍やネット情報の中で

決算時期での社員への賞与支給

について紹介されることが
少なくありません。

今期は業績も好調で、
決算での納税額も例年以上に
多くなりなりそうだから、
社員に決算賞与を支給して
税金の負担も減らそう、
という考え方です。

好調な業績を支えた
社員さんに対して
賞与を支給すること自体は
悪くないと思います。

けれど、
そもそも決算賞与という制度が
これまでなかったのに、
突然、決算近くになって

決算賞与を支給するから

と言われた社員さんは
どのように感じるでしょうか。

賞与をもらうことは嬉しい
と感じるかもしれませんが、

利益を減らすために支給されたのでは

経営者のさじ加減で支給されるかが決まる

といったことを
考えてしまわないでしょうか。

決算対策として賞与を支給する、をお勧めしない理由

経営者の方からも実際に
決算対策として
賞与を支給する方法について
ご相談を頂くことがありますが、
お勧めすることはほとんどありません。

税金を支払うよりもお金が減ってしまう

賞与を支給することで、
経費が増えて、利益が減るので
利益から計算される
会社の法人税や個人事業主の所得税、住民税
の金額を抑える効果は確かにあります。

100万円の賞与を支給すれば、
100万円の利益が減ります。

社会保険の会社負担など含めれば
115万円程は利益が減ります。

115万円利益が減ることで、
仮に法人の実質の負担率が25%
だったとすると

115万円×25%=28.75万円

約29万円は税負担を抑えること
ができるわけです。

ただ、会社から115万円お金が
出ていくことを考えると
決算での賞与を支払わない場合と比べ

115万円 - 29万円 = 86万円

余計にお金が減りますよね。

無理に決算賞与を支払うことなく
税金を支払った方が
会社の安全性を高める結果に
なるわけです。

支給する前提条件があいまいだと不信の念を抱かれる

決算賞与もその年度が始まる時点
社員とも目標を設定していて、
その目標をクリアしたから
賞与を支払うことになった。

これであれば
社員さんも納得の上、
自分達の頑張りが結果につながったと
素直に賞与を受けることだと
思います。

もし次の年、
目標を達成できなったことで
決算賞与を受け取ることができなくても
納得するでしょう。

そうではなく、
決算近くになって
急に社長から決算賞与を支給する
と伝えられても

その賞与は社員のためではなく税金対策ではないか

と受け取られても
仕方ないですよね。

信頼関係に影響はないでしょうか。

賞与を支給する目的は

そもそも賞与を支給する目的は
どこにあるでしょうか。

会社の税金のためでしょうか。

社員さんの頑張りに報いるため

でしょうか。

お金が減っても
会社の税金をとにかく減らすために
賞与を支給する
と割り切るのも一つかもしれません。

けれど
賞与を受け取る側への
影響も考えてみると
どうでしょうか。

賞与を支払うとしても
まずはその目的を
確認しておきたいですね。

【編集後記】

大阪へ出かけるときは
ほぼ京阪電車を利用して、
電源コンセントが使用できて
感染症対策も兼ねる
プレミアムカーを
利用するようにしています。

昨日、座った座席には
シートヒーターまで
用意されていることを発見し
早速使用しました。

これから寒さが厳しくなるにつれ
重宝する設備ですね。

【昨日の1日1新】

・京阪プレミアムカー シートヒーター

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