事業の赤字を翌期に繰り越せる、前期に繰り戻すはメリットか

どう捉えていますか

20220910

事業が赤字になった時のメリット

法人や個人事業を行う際に
青色申告を適用するメリットの1つ
として挙げられるものが

事業の赤字、損失を活用できる

というものです。

法人であれば、今期発生した赤字額を
翌期の黒字と相殺することで
翌期の法人税の負担を抑えること
ができます。

また、今期発生した赤字を
前期の黒字と相殺して
前期に納めた法人税の一部を
還付してもらう繰戻還付という
手続きもあります。

個人事業であれば
事業によって生じた赤字額を
他の不動産事業や給与所得を
通算することで
個人しての税金負担を減らす効果
が生まれます。

事業以外に相殺できる
他の所得がない場合には
赤字を翌年以降に繰り越して
翌年以降の黒字と相殺すること
だってできます。

このような状況になった場合には
確かにメリットとは言えます。

事業の赤字を翌期に繰り越せる、前期に繰り戻すはメリットか

想定外の外部要因があったり
先行投資を行ったりすることで
事業で赤字となってしまうケース
はあります。

そうした時に赤字を活用できて
税金の負担を抑えることができるのは
確かにメリットです。

ただ、
この赤字を活用できること
をメリットとして捉えること
には少し注意が必要です。

事業が赤字となってしまったけれど
当期の税金負担が減った上、
さらに前期の税金の一部が還付された、
翌年の黒字との相殺によって
税金の負担を抑えることができた。

これによって事業が赤字に
なってしまったことで
何らかの打開策、改善が必要
な状況にあるにも関わらず、
税金の負担が減ったことによる
安堵感が生まれてしまうこと
はないでしょうか。

利益を追求する姿勢が
弱まってしまい
黒字にするだけでなく
経営を安定させるために
利益を増やすことへの意識が
低くなるリスクがあると
感じています。

事業の赤字が生まれたことで
税金の負担が減ったことは良かった。

ただ、それ以上に
事業が赤字となっている原因が
想定していたものではない限り
いち早く改善するための
計画を立てて行動することへ
意識を向けられるようにしたいものです。

事業の稼ぐ力を磨く

経営者の方の中には
税理士に対して

税金の負担をどう抑えるかを考えてくれること

を期待されている方がいること
も事実です。

そうした方にとっては
例え事業が赤字になってしまったとしても
税金の負担が抑えられたのであれば
結果オーライと捉えてしまうこと
もあるかもしれません。

けれど、そうではなく
事業の稼ぐ力が落ちたことが
赤字の原因であれば
その稼ぐ力をどう磨いていくか。

税金が増える結果になったとしても
必要な利益を残し、納税を行い、
借入の返済をしても
お金を残すことができる
事業の構造を目指すこと。

そのためにも
事業の稼ぐ力をどう高めるかに
意識を向けていけるように
していきたいですね。

【編集後記】

昨日の午前中は
お客様とのオンラインミーティング。

こちらでも税金のこと以上に
事業でどう利益が残るようにするか
に意識を向けていくお話しを
させて頂きました。

【昨日の1日1新】
・満る市

【お知らせ】
■佐竹正浩税理士事務所のサービスメニューはこちら
https://m-stax.com/services/

■税務顧問、税務相談などのお問い合せはこちら
https://balance-blog.com/inquiry/

feedlyでの購読はこちらからどうぞ
feedlyでの購読はこちらからどうぞ
follow us in feedly
記事を最後までお読み頂きありがとうございます!
ブログランキングに参加しています!
にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村