会社設立を検討されている方から、 「社長が2人の会社を作りたい」という意向を伺いました。
社長2人の会社は設立できるでしょうか?
もし設立できるとすれば どういった注意点があるのでしょうか?
そもそも社長ってどういう位置づけ?
「社長」という肩書きは法律上のものではなく、
あくまで会社内での呼び名にしか過ぎません。
法律上はどうかというと、「会社法」という会社の設立や組織などについて定めた法律があります。
会社法で決められている役職の名前はあくまで「取締役」です。 その「取締役」の中の代表者が「代表取締役」となるのです。
したがって、「代表取締役社長」という役職名であれば、法律面でも会社内部においても会社を代表するという意味になります。
「代表取締役社長」であれば、対外的な契約手続きや会社の代表として交渉などを行う権限があるといえます。
代表取締役社長2人の会社は設立可能?
会社内部での呼び名である「社長」であれば社長を2人にすることは簡単です。しかし、その中に法律面での権限がない「代表取締役ではない社長」が存在すると、対外的に誤解を与えることになり望ましいことではありません。
あくまで「社長」であれば「代表取締役」としての法律上の権限を持つべきです。
ただし、「代表取締役」ですが、取締役が1人や2人の会社の場合は必ずしも「代表取締役」を決めなくてもよいことになっています。この場合は各取締役は自動的に代表権を持つことになります。
では、そもそも代表取締役が2人の会社を設立することはできるのでしょうか?
答えは、設立可能です。
会社法では、代表取締役の人数に制限がありませんので、代表取締役2名の会社を設立することは問題ありません。
代表取締役社長2人の会社で考えておくべきこと
法律上、代表取締役社長2人の会社を設立することは可能ですが、設立にあたり、事前に考えておくべきことがいくつか出てきます。
1. 会社への出資割合をどうするのか?
会社を設立するにあたり、現金などで出資をしますが、その2人の社長が出資する場合、出資割合をどうするか決めなければいけません。
会社の経営面を2人体制とするとしても、出資による株式の保有、つまり会社の所有をどういう割合にするか決めないといけません。
会社の所有を50%ずつにすると、会社の重要事項を決定する株主総会での意思決定ができなくなる恐れがあります。どちらかが過半数もしくは2/3を保有することが望ましいです。
2. 将来的な会社の方向性を統一する
社長2人が考えている将来的な会社の方向性が一致していなければ、会社として進むべき方向があいまいになってしまいます。
まずは社長となる2人の将来的な会社の方向性を統一させておく必要があります。
会社が成長する局面、もしく苦境を迎える局面であっても会社の方向性が統一できていれば、それぞれの局面にあった会社運営ができるでしょう。
その他にも役員給与の設定の仕方や代表者の実印をそれぞれで印鑑登録すのか、もしくは一方のみ印鑑登録し、それを実印として使用するかなど細かい決めごとが必要です。
まとめ
社長2人の会社となると、あらかじめ決めておくこと、想定しておくことは増えますし、会社設立後もお互いの考え、方針に変わりないかを常に確認していくことが重要になります。
しかし、2人の社長だからこそ、それぞれの担当する分野での意思決定をよりスピーディにする、自分の足りない部分を相手に補ってもらうことで1人の社長よりも会社の経営をより強固にできる可能性も秘めています。
2人社長の会社を設立する場合には、しっかりとした事前準備で2人社長のメリットが発揮されるようにしましょう。
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編集後記
先日図書館で借りてきた
「さかなクンの水族館ガイド」
が家族の中で好評です。
単なる魚図鑑や水族館ガイドではなく、
魚の紹介とともに、全国どの水族館にいるのかも
一度に分かる「魚引きガイド」になっています。
「このお魚見たいから、この水族館に行こう!」
とか、
「今後行く水族館では、必ずこのお魚見よう!」
というように、
水族館に行く前のテンションを上げることができます(^^)