来年平成28年からは上場株式と非上場株式の譲渡損益の通算ができません。
上場株式と非上場株式の譲渡損益の損益通算は平成27年12月31日まで
これまでであれば中小企業(非上場)のオーナーが所有している自社の株式を売却した場合の損益と保有している上場株式を売却した場合の損益を通算して節税を図ることができました。
例えば長年経営した自社の株式を事業承継で他人に譲り、株価の値上がりにより所得税、住民税が発生する場合に、同じ年に含み損のある上場株式を売却することでその損益が相殺され所得税、住民税の節税をすることができます。。
仮に
非上場株式の売買による利益 +2,000万円
上場株式の売買による利益 △2,000万円
であれば、
それぞれの利益を通算し株式に関する利益は0円になり、
所得税や住民税は発生しません。
上場株式の売却による損失は同じ年でなくても3年間の繰越しができますので、過去の損失と今年の非上場株式の売却による利益を通算することも可能です。
しかし、こういった節税ができるのも今年平成27年12月31日までとなります。
平成28年1月1日からはどうなる?
平成28年1月1日から個人の所得税の計算上、上場株式と非上場株式が別のグループに分類され、別々に所得税、住民税を計算することになります。
従って先程の
非上場株式の売買による利益 +2,000万円
上場株式の売買による利益 △2,000万円
の例であれば次のような税額になります。
非上場株式の売買による所得税、住民税
2,000万円 × 20.315% = 406.3万円
上場株式の売買による所得税、住民税
0円
所得税、住民税合計 406.3万円
同じ取引であっても平成28年1月1日以降を境に税金の負担が大きく変わることになります。
まとめ
非上場株式の売買は事業承継の場面や親族内で分散所有されている株式を整理する場面で行われます。
非上場株式の売買を行った場合、今年平成27年中であれば上場株式の売買による損益を活用することで節税を図ることもできますのでお忘れなく。
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【編集後記】
今年からや4月から変わった税制のチェックも大切ですが、
期限を迎える税制のチェックも欠かせませんね。