従業員を増やせば節税になる雇用促進税制。ただし、地域限定です。

対象地域かどうかは要チェックです。

20170502

従業員を増やせば節税になる雇用促進税制

従業員を一定数増やすことで
節税になる

「雇用促進税制」

というものがあります。

条件を満たせば、
会社が納める法人税や
個人事業主が納める所得税を
減額するという制度です。

いくらぐらい
減額できるかというと

増やした従業員の数※ × 40万円

※無期雇用でフルタイム勤務の従業員が対象です。

です。

中小企業の場合だと
最低2人増やさないと
要件を満たさないので、
2人×40万円=80万円
以上の税金が減る
可能性があるということ。

ただし、上限があって、
中小企業の場合、
法人税や所得税の20%が
限度になりますが、
それでも影響は大きいです。

ちなみに
この制度は以前からあったのですが

改正があって、
平成28年4月以降に始まる年度からは
制度を使える地域が限られているんです。

つまり、地域限定の節税なんです。

従業員を増やせば節税になる雇用促進税制。ただし、地域限定です。

では、
この雇用促進制度を受けることが
できる地域はどんな地域でしょうか。

対象地域となる地域はこちら。

有効求人倍率が全国平均の3分の2以下と
なるような地域が対象です。

つまり、仕事を探している人に対して
人を求めている仕事が少ない地域
ということ。

そのため
仕事が多い大都市などの地域では
この制度を利用することはできません。

京都府内でいうと、
京田辺市、
木津川市、
井手町、
笠置町、
和束帳、
精華町、
南山城村
のみが対象で、
京都市など他の市町村では
受けることができません。

大阪府は全て対象外ですし、
兵庫や滋賀では対象となる地域と
そうでない地域に分かれます。

いずれも平成29年4月1日現在。

しかも、大切なことは、
本社がある地域だけで
判断してはいけない、
ということです。

本社は大阪だけど、
適用対象となる地域に
事業所があって、
そこで従業員を採用した、
という場合は
制度を活用できる
可能性があるんです。

対象地域のチェックは
とても大切ですね。

雇用促進税制を使うために確認すること

雇用促進税制を活用して
節税をするために
必要な手続きと、
クリアする要件があります。

必要な手続きは?

制度を使おうとする年度が
スタートして2ヵ月以内に
ハローワークに
対して雇用促進計画を
提出しないといけません。

これを出さない限り、
雇用促進税制を
受けることが
できないんです。

3月決算の会社なら
5月末が提出期限です。

従業員を採用する予定はない、
そんな予定であっても1年後までに
何が起こるかも分かりません。

ひとまず、ハローワークに計画書を
提出しておきましょう。

そして1年が終わったら
当初提出した計画書に
実績を記載して
従業員が増えたことを
ハローワークに
証明してもらいます。

税務署に提出する申告書に
その証明された計画書を
添付することで
はじめて税金の減額が
できます。

クリアする要件は?

雇用促進税制を受けるための要件も
確認しておきましょう。

1. 対象となる期間であること

適用を受けることができる期間は
会社であれば
平成30年3月31日までに始まる事業年度まで、
個人であれば
平成30年までと期間限定の制度です。

3月決算の会社であれば、
平成29年4月1日から平成30年3月31日の年度が
最後の対象期間となります。

※期間が延長される可能性もあります。

2. 適用要件を満たすこと

適用を受けるためには
次の要件を満たす必要があります。

・前期および当期に事業主都合により離職した雇用者および高年齢雇用者がいない
・増加した雇用者の数が5人以上(中小企業者は2人以上)
・雇用者の数の増加割合が10%以上
・雇用者に対する給与支給額が前期の給与支給額より一定以上増加している
・雇用保険法で定められた事業を行っていること

実際には
増加割合や給与支給額などの
計算はもう少し細かい判断が必要です。

あと、
雇用者とは雇用保険の一般被保険者
のことをいい、役員や個人事業主の
親族は対象外となります。

上記の内容で該当する可能性が
あればより詳しくチェックしましょう。

税務署に相談したり、
顧問税理士に確認して
みてください。

まとめ

地域さえ該当すれば
「雇用促進税制」
はぜひ活用したい
節税策になります。

従業員を増やす、増やさない
は分からなくても制度を
使うことができるよう、
年度スタートから2ヵ月以内
にハローワークへの届け出は
済ませておきしょう。

【編集後記】

3月決算の会社で、
ちょうど決算、申告業務を
行っているところも
少なくないと思います。

雇用促進税制も忘れずに
チェック、手続きを済ませて
おきたいですね^^

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