黒字の決算書だからいいわけでないです。
1年の集大成である決算書は大切
1年の集大成である会社の決算書、
いわば会社の成績通知表
と言えます。
しかも、
その通知表は経営者である
自分だけが見るものでは
ありません。
お金を借りている、もしくは
借りようとしている金融機関、
業績を従業員に公開している
場合には従業員、
決算書の提出を求めてくる
大手企業の取引先。
会社の実績として
外部に出ていくので
少しでもいい数字に
したいですよね。
利益がマイナスになることなく
なんとか黒字にしたい
そう考える経営者の方が
ほとんどです。
黒字かどうかだけじゃなく、3つの数字を確認する。
「今期はなんとか黒字になったんです」
決算書を見せて頂きながら
そんなコメントを聞くことも
多いです。
けれど、
見かけだけ黒字の決算書ほど
やっかいなものはありません。
それによって
このままで大丈夫、
今年もなんとか黒字になったと
安心してしまうからです。
なので、次の3つの数字を確認する
ことをお勧めします。
1. 税引後利益
決算書の損益計算書の一番下に
出てくる数字です。
今期の売上から
材料や商品の仕入、
人件費やその他の経費、
発生する法人税などを
引いていくら残ったか、
です。
この数字がプラスであれば
黒字です。
まずはこの数字を確認します。
2. 減価償却費
次に同じく損益計算書の
中にある
「減価償却費」を
確認します。
「販売費及び一般管理費の明細」
の中に記載されていることが
ほとんどです。
「減価償却費」とは、
建物や機械装置、車両や備品など
数年や数十年に渡って使うものの
毎年の価値の目減り分を表す
経費です。
経費として売上から差し引く
のですが、お金は出ていって
いません。
特殊な経費ですね。
税引後利益に減価償却費を
足すと本業で稼いだお金を
把握することができます。
3. 年間の借入金返済額
最後の借入金の年間の返済額
を確認します。
こちらは決算書だけでは
分かりません。
借入先からの年間の返済予定表や
前期と今期の決算書の比較
(新たに借入をしていない場合)
で確認します。
4. 3つの数字で分かること
税引後利益、
減価償却費、
年間の借入金返済額、
この3つの数字で分かることは
キチンとお金を残せる体質か
どうかです。
税引後利益に減価償却費を
足した本業で稼いだお金と
年間に支払う借入金の返済額を
比べます。
すると本業で稼いだお金で
借入の返済ができているかが
分かります。
税引後利益が黒字、決算書が黒字
だったからといって
こうなると
お金が残らないですよね。
お金が残る計画を立てて毎月確認していくしかない
必要なことは
決算書を黒字にすること
だけじゃなく、
借入金の返済ができるレベル
の黒字にすることです。
本当は借入金の返済が
できるレベルは最低限であって、
将来に向けた投資のためのお金や
緊急事態のためのお金も残して
いかないといけませんよね。
では、どうするかというと、
最初からお金の残るような
計画を立てることが必要なのです。
そして、
毎月その計画と実績を
にらめっこして、
どうすれば
その数字を達成するかを考え、
手を打っていくしかありません。
まとめ
黒字の決算書だったとしても
本当のところは少しも
安心できませんよね。
お金の不安が消えない限りは。
お金の不安を解消するためには
お金が残るように
どんな売上、利益が必要かを
明確にして
どうすればそれに近付くかを
考えないといけません。
そのためにも現状の
税引後利益、
減価償却費、
借入金の年間返済額
の3つを確認してみましょう。
もちろんそれだけでは
判断できないケースも
ありますが
まずは傾向がつかめたら
十分です。
【編集後記】
税理士業界に入りたての頃は
自分自身も
決算書がなんとか
黒字になれば、
と考えていました。
今振り返ると。。。
ですが。
ただ単に黒字ではなく、
本当はどれだけの利益が必要で、
それを達成するために
何をしないといけないのか、
今はそれを伝えて、
理解していただくことに
力を入れています(^^)
【昨日の1日1新】
・ふるさと納税で届いた苺(あまおう)
・ある場所の初めていく喫茶店
【昨日の1日1捨】
・デスクの中の不要書類