労働保険料の経費の計上時期はいつ?注意すべきポイントは?

労働保険の年度更新も7/10の期限まであと1日となりました。
今回は労働保険料を経費(損金)に計上する時期について確認しておきましょう。

20150709




労働保険料のしくみ

労働者を1人でも雇用している場合、事業主は労働保険に加入し、労働保険料を納めないといけません。

けれど、労働保険料ってその中身や保険料を支払うタイミングなど少しややこしいです。

ややこしいので簡単に言うと次のようになります。

・労働保険とは事業主負担の労災保険と事業主と従業員が負担する雇用保険の2つの総称のこと。

・毎年7月10日(支払日が遅くなる口座振替や3回に分けて支払う延納制度あり)に保険料を支払う。

・支払う保険料の中身が、(1)今年4月から来年3月の期間に対応する概算保険料、(2)前年4月から今年3月の期間に対応する確定保険料と前年支払った概算保険料の差額、(3)アスベストによる健康被害者の救済費用に充てる一般拠出金(事業主負担)の3つに分かれる。

労働保険料の経費の計上時期は?

まず、労働保険料を経費に計上する際の大前提は、支払う給与から預かった従業員負担の雇用保険料は経費(損金)にならないということです。

あくまで事業主負担分だけが経費(損金)になります。

経費(損金)として計上する時期は、原則として労働保険の申告書を提出した日または労働保険料を納付した日です。

したがって、7月10日に申告書を提出して労働保険料を支払った場合は、
7月10日に支払った金額を法定福利費として計上します。

3回払いの場合も労働保険の申告書を提出した日に計上できますので、
7月10日までの申告書を提出した日に全額を法定福利費として計上できます。

ただし、このままだと従業員負担の雇用保険料まで経費(損金)に計上してしまうことになるので、毎月の給与支払いの時に従業員から預かる雇用保険料を法定福利費のマイナスとして計上します。

これで法定福利費という経費科目には事業主が負担した労働保険料だけが計上されることになりますよね。

多くの事業者の方が採用しているシンプルな経理処理になります。

労働保険料の計上の問題点

労働保険料を支払った時や申告書を提出した日に法定福利費を計上して、従業員から雇用保険料を預かった時に法定福利費をマイナスする。

このシンプルな経理処理には問題点があります。

1. 従業員負担の雇用保険料の問題

労働保険料を支払った時や申告書を提出した日に、従業員負担分も含めて概算の労働保険料の全額を経費(損金)に計上してしまっています。

一方で従業員から預かる労働保険料は実際の給与支給額から計算した実額を毎月、経費(損金)のマイナスとして計上します。

概算と実額の差、支払い時と預り時の差がどうしても生まれるので正しい経費(損金)が計上されている訳でありません。

2. 月次損益への影響

労働保険料を支払った月だけ経費(損金)が増えるため、毎月の損益が一定になりません。

労働保険料の支払いを認識しておかないと間違った経営判断になりかねません。

この2つの問題点は、従業員が増えれば増えるほど影響が大きくなります。
問題を回避したい場合は手間は増えますが別の経理処理の方法がありますのでそちらを採用する必要があります。

別の経理処理はいくつか方法があるのですが今回は省略します。

まとめ

労働保険料の経費(損金)の計上は突き詰めると問題点もありますが、まずはシンプルに支払ったら経費(損金)にする、従業員から預かった雇用保険料は経費(損金)のマイナスにすると理解しておけばいいでしょう。

従業員が多く労働保険料の経理処理1つで利益に大きく影響を及ぼす場合、どうしても毎月の損益をより正確に把握したい場合には別の経理処理を検討しましょう。

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【編集後記】

先日投稿したメールのマイルールについての記事を
税理士の内田敦さんのブログで紹介して頂きました。
ありがとうございます!

メールの受信トレイを空にするマイルールはお勧めですよ(^^)

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