どう伝えていくかを意識したいですね。
『会計と決算書がパズルを解くようにわかる本』
昨日、こちらの本を読みました。
税理士でブログ更新を続けておられる
戸村涼子さんの著書です。
『会計と決算書がパズルを解くようにわかる本』
起業をしたけれども
会計や決算書が果たす目的が
イマイチ分からない。
会計や決算書について
もっと理解をしたいけれど、
体系立てて勉強したことがなく
いまいち苦手だ。
会計や決算書については
自分は初心者だ、
そう思っている方に向けて
・会計の全体像や目的
・決算書をどう読むか
・どうやって会計や決算書と向き合えばいいか
をとても丁寧に解説されています。
会計や決算書ってそもそも何?
といった疑問を解決できる本でした。
会計と決算書を初心者に分かりやすく説明するには
私は、この本を読むにあたり
税理士として
会計や決算書の分野の専門家として
テーマを決めて読むことにしました。
「会計や決算書を超初心者に分かりやすく説明する方法な何か?」
というテーマです。
これまで会計や決算書とは
無縁だったけど起業をしたので、
向き合わないといけなくなった。
とか、
事業を経営しているけど、
会計や決算書に対して苦手意識がある。
そんな方に対して、どう説明すれば
会計や決算書について理解してもらえるのか。
そんなテーマを設定して読んでみると
3つのポイントがありました。
1. 3種類の決算書
中小企業の場合の決算書や
個人事業者が作成する決算書
の場合、主に2種類の決算書から
構成されています。
1つは、
現預金や売掛金などの財産や
借入金などの負債がいくらあって、
資本金やどれだけ利益を蓄積してきたか
蓄える力が分かる「貸借対照表」。
もう1つは
売上や原価がいくらで
経費を引いて利益が
いくら残ったかを示す
稼ぐ力が分かる
「損益計算書」です。
この2つはいつも目にしている
という方であっても普段あまり
目にしない決算書である
「キャッシュフロー計算書」
が読むことが欠かせないとのこと。
会社や事業が、
どんな内容でお金を増やし、
どんな内容でお金を使った
を表す決算書です。
つまり、お金をどう回しているかを
把握しましょう、ということです。
いくら利益があっても
お金が思うように貯まらないのであれば
何かに問題があるはずです。
キャッシュフロー計算書が
あればいいですが、なくても
お金のどんな流れで増えたり減ったり
しているか把握しないといけませんし、
専門家や伝えていかないといけません。
2. 経営指標より知りたいこと
会計や決算書について書かれた本には
流動比率やROAやROEといった
経営指標を解説している本が
少なくありません。
また税理士や会計事務所から
出てくる報告資料にも
経営指標が10個も20個も出てくる
ものがあったりします。
そもそも会計や決算書に対して
苦手意識がある方に対して
経営指標ばかりを伝えたとしても
余計に苦手意識が高まってしまうものです。
そうではなくて、
会社や事業によって、
経営者にとって、
経営指標よりも知りたいことが
知っておいた方がいいことが
あるはずです。
お金の流れ、資金繰りを
把握してもらった方がいい
ケースもあれば、
材料や仕入といった原価の状況を
より詳しく確認したい、
部門や店舗ごとの利益を確認したい、
と知りたいことはバラバラですよね。
その知りたいことを
知らせてくれるのが
会計であり決算書である、
と分かればどうでしょうか。
向き合い方も変わるはずです。
3.数字を活かして意思決定する
なぜ、会計や決算書が必要かというと、
数字を見ることで経営判断、
つまり意志決定をするために
必要だということです。
経営者の誰しも
経営が上手くいくことを
望んでいるはずです。
でも、実際には会計や決算書に
距離を置いて、どんぶり勘定で
経験と勘だけで経営判断を
されていることも
少なくありません。
数字を見ることなく意志決定を
すれば上手くいくこともあれば
失敗する可能性もとても高いです。
そうではなくて、
会計や決算書をもとに
数字に基づいた経営判断を行う。
それによって、会社や事業がうまく
成長していくことを実感できれば、
会計や決算書がなくてはならないもの
だと分かりますよね。
初心者だけでなく専門家が意識しておくこと
『会計と決算書がパズルを解くようにわかる本』
は会計や決算書の初心者だけでなく
専門家の方にも読んで頂きたい本です。
会計や決算書に対する苦手意識を
払拭できるかどうかは
専門家がどう説明するか、伝えるかに
かかっている部分もあるからです。
経営指標や数字を伝えることよりも
まず相手が何を知りたいか、
何を知ればいいかからを把握すること
からはじめること。
「貸借対照表」や「損益計算書」
だけでなく「お金の流れ」の状態を
伝えることで、数字に基づく経営判断
をして頂くことで会社や事業の成長を
支えていく。
経営者や事業者が
会計や決算書に向き合い、
数字を活かした経営をすることで
未来へのワクワク感を感じられる
ようにする。
そんな専門家でありたいですね。
【編集後記】
『会計と決算書がパズルを解くようにわかる本』
を読むにあたり、
同じく税理士の戸村涼子さんのブログで
紹介されていたある本の読書を実践
してみました。
短時間で本のエッセンスを理解し、
自分なりの意見を導き出すことが
できる読書法です。
戸村さん、こちらのご紹介も
ありがとうございました。
ちなみ15分で1冊を読む読書法ですが、
そんな短時間ではなくもう少し
時間を掛けて読ませて頂きました(^^;
【昨日の1日1新】
・ビタプラス ペルシアンライム
・下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab