バックアップを取らないことによる損失
会計データのバックアップは取っていますか?
経理業務で日常の取引を入力する会計ソフトですが、バックアップは取っているでしょうか。税理士として新たなお客様のお仕事をさせて頂く際、既に会計ソフトは使用しているものの、バックアップは取ったことがないという方に出会うことが少なくありません。
そういった方に限ってパソコンが壊れてしまい、どうしましょうといった声を聞くことがあります。バックアップを取っていない限り、それまで入力したデータは戻りませんし、データを入力した時間も失ったことになります。
バックアップはどうやって取るべき?
今はどんなバックアップをしていますか?
バックアップはしているよ、という方のバックアップ方法を確認してみるとその方法は様々です。段階別に以下のように分かれます。
1.バックアップは取っているけど、同じPCのハードディスクに保存
この場合、バックアップは取っているもののPCが壊れた場合、同時にバックアップデータも壊れてしまう可能性があります。早急に下記2、3の方法へ移行しましょう。
2.バックアップデータをUSBメモリや外付けハードディスクに保存
この方法だと万が一PCが壊れても、USBメモリや外付けハードディスクから復旧することができます。ただし、可能性は低いもののUSBメモリ、外付けハードディスクの紛失や物理的な障害のリスクがあり、火災や大規模災害があった場合にUSBや外付けハードディスクが焼失したり、探し出せないといったことも考えられます。
3.バックアップデータをdropbox等のクラウドサービスで保存
バックアップデータがクラウド上にあればひとまず安心です。PCの破損やUSBや外付けハードディスクの紛失や物理的な障害のリスクを回避できます。ただし、クラウド上のデータ流出には注意する必要がありますので、パスワード管理を厳重にしたり、携帯電話などを利用した2段階認証の設定の導入を検討すべきです。
なお、最近利用者が増えているクラウド型の会計ソフトであればバックアップの意識をする必要がなくなります。データは常に会計ソフトの会社がバックアップをとってくれているのです。災害等に備えてデータを分散して保管するなど対策も講じられています。
バックアップの観点はクラウド型の会計ソフトを検討する要素の一つになるでしょう。クラウド型会計ソフトの代表例にはfreeeやMFクラウド会計、やよいの青色申告オンラインといったものがあります。
バックアップの取り方のキホン
押さえるべきポイントは?
バックアップの取り方以外にバックアップを取る際のポイントを確認しておきましょう。
☑バックアップをいつ取るか?
最低限、会計ソフトの終了の都度取るべきです。ソフトによっては終了時にバックアップを取るかどうか確認してくれるものもありますが、そうでないものもありますので、その場合には自分でバックアップを取らなければいけません。
☑バックアップデータの戻し方を知っているか?
バックアップを取っていても戻し方が分からなければ意味がありません。常日頃からバックアップデータの戻し方を理解しておくようにしましょう。通常は会計ソフトのリストアや復元というメニューを利用します。
☑取ったバックアップデータの保持期間は?
会計ソフトの終了の都度バックアップデータを保管していて、その保管の回数ごとにバックアップデータが増えてしまうと、バックアップデータの容量が大きくなってしまい保存が難しくなってしまいます。最新データだけを保持するのか2世代、3世代保持するのかルールを考えましょう。
バックアップのキホンを押さえることで、いつデータやPCが壊れても大丈夫という環境にしておきましょう。会計ソフトに限らず、業務で使用しているExcelやWordその他のソフトのバックアップについてもお考えておくべきです。
それぞれのソフトでのバックアップを考えることが面倒な場合、PCのデータを丸ごとバックアップする方法があります。WindowsPCであればシステムイメージバックアップ、Macであれば、Time Machineによる自動バックアップの利用がオススメです。
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編集後記
昨晩iPhoneのOSを7から8.1にアップデートしていたところ、
PCの画面にアップデート失敗の文字が。
PCにバックアップデータがあっため復旧作業も冷や汗書きながらなんとか
できましたが、バックアップの重要性を痛感しました。