平成28年度税制改正のポイント【個人編】

平成28年以降の税制で個人の税金に関わるポイントを確認しましょう。

20151220

個人に関する税制の変更にも要注意

平成28年度の税制改正案では
もちろん個人に関する税制の変更も
盛り込まれています。


会社や個人事業者であれば
顧問税理士より
影響のある税制の変更を
教えてもらうことができます。


一方で個人の方で
税理士との関係がない場合には
自分自身で税制の変更を
チェックする必要があります。


この税制を知っていれば、
この制度が使えると思っていたのに、
といったことを少しでも
なくして頂きたいです。

平成28年度税制改正のポイント。個人編です。

個人に影響のある税制改正の
ポイントについて確認しましょう。


会社や個人事業者に影響のある
改正はこちらの記事で紹介しています。

平成28年度税制改正のポイント【会社・個人事業者編】
https://balance-blog.com/outline-taxreformplan2016-1

また、消費税の軽減税率や納税手続きなど
に関する内容は後日の記事とします。

【新設】空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

以下の条件に当てはまる
家屋やその敷地を相続により取得して、
その後、空き家となっている
その家屋や土地を売却した場合には
売却による利益から3,000万円を控除して
所得税・住民税を計算できる制度ができました。


対象となる家屋や敷地の条件は、
1. 被相続人(亡くなった方)が相続が発生
する直前に住んでいた家
(建築時期が昭和56年5月31日以前で、
マンションなどの区分所有建築物を除く)
2. 相続が発生する直前には被相続人しか
住んでいなかった
3.  1.と2.の条件を満たす家屋の敷地

です。


売却する時期は
平成28年4月1日から平成31日12月31日
までの間で、相続が発生した年の翌年以降
3年以内
に限定されています。


相続はしたものの売却すると
税金の負担が発生するため
空き家となっている家屋や土地の
有効利用を促進するためのものですね。


個人が土地や建物を売却して利益が出ると
所得税、住民税で20%
(所有期間が5年以下の場合は39%)
の税金が発生しますが、
この制度により税金の負担がなくなる
可能性があります。


ただし、相続が発生した年の翌年以降、
3年以内の売却という点に気を付けない
といけません。

【新設】住宅の三世代同居リフォームをした場合の控除

三世代が同居するために
住宅のリフォームをして、
三世代で同居した場合に
所得税から一定の金額を
控除する制度ができました。


ローンを組んでリフォームした場合、
自己資金でリフォームした場合
どちらでも控除
があります。


平成28年4月1日から平成31日6月30日
までに三世代で同居した場合
です。


ローンを組んだ場合、控除期間は5年間。


キッチンや浴室、トイレ、玄関を複数
にする工事が対象でローン残高の2%、
年上限5万円の控除を
5年間受けることができます。


自己資金の場合は控除は1年のみで
上限25万円です。

【延長】所有期間10年超の居住用財産を買換えた場合の特例

所有期間が10年を超える居住用の土地や家屋を
買換えた場合、売却による税金の負担を
先送りしてくれる制度があります。
(全額先送りじゃなく
一部納税するパターンもあります。)


この制度が2年延長されます。
平成29年12月31日までの買換えが対象です。

【延長】所有期間5年超の居住用財産を買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

所有期間が5年を超える居住用の土地や家屋を
買換えた場合(ローンを組んで土地や家屋を
購入した場合に限ります)で、
土地や家屋の売却で損失が発生した場合、
その損失を他の給与や事業などの所得と
通算してくれる制度があります。


通算してなお損失が多ければ
翌年以降3年間、その損を繰越しできます。


本来、土地や家屋の売却による税金は
給与や事業などとは別で計算するのですが、
マイホームを売って損がでた場合は
その損を給与や事業の所得から差し引いても
いいですよ、という制度です。


その分が所得税、住民税が減るという
ものです。


この制度が2年延長されます。
平成29年12月31日までの買換えが対象となります。

【延長】所有期間5年超の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

所有期間が5年を超える居住用の土地や家屋を
売却して損失が発生した場合に、
その損失を他の給与や事業などの所得と
通算してくれる制度があります。


通算してなお損失が多ければ
翌年以降3年間、その損を繰越しできます。


1つ上の制度と似ているのですが、
こちらは住宅の買い換えじゃなくても
使える制度です。


この制度が2年延長されます、
平成29年12月31日までの売却が対象となります。

【新設】スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)

健康診断や予防接種を行っている個人が
スイッチOTC医薬品を購入した場合、

この購入金額が1万2千円を超える場合、
その超える金額、最大8万8千円まで
をその年の所得から控除
してくれます。


平成29年1月1日から平成33年12月31日
の期間限定です。


スイッチOTC医薬品とは、
これまで医師の判断でしか処方されなかった
ものが薬局でも買えるようになった医薬品です。


もともと市販薬じゃなかったものが
市販薬にスイッチされたもの。


OTCとは「Over The Counter」の略で
薬局のカウンター越しで販売される
という意味だそうです。


ガスター10、ロキソニン、アレグラ
といったものが代表例ですね。


この制度には注意点があります。


それは
スイッチOTC医薬品控除を受ける場合
これまでの医療費控除を受けることが
できない
ことです。


どちらが有利になるか
を判断しないといけません。


スイッチOTC薬でいくらの医療費に
なるのか、
スイッチOTC薬も含めた医療費全体で
いくらになるのかを集計して判断
することになります。

【緩和】確定申告で添付する証明書や領収書が原本以外にメールで受け取ったものの印刷でもokに

生命保険料控除や地震保険料控除、
ふるさと納税などの寄付金控除を
確定申告で受ける場合、
証明書や領収書の原本を添付
しないといけません。
(電子申告の場合は提出せずに
保管しておくだけでも大丈夫です。)


平成30年分の所得税からは
書類の原本提出以外にも
証明書や領収書の記載事項をメール等で
受け取って印刷したものでも
認められるようになります。

【負担増】国民健康保険料の上限額の変更

国民健康保険料の上限額が変更になります。


基礎部分(医療分)が52万円から54万円、
後期高齢者支援分が17万円から19万円に
それぞれ引上げられます。


40歳~64歳の方の介護保険料分の
上限は16万円なので、
医療分      54万円
後期高齢者支援分 19万円
介護保険料分   16万円
合計89万円が上限になります。

【延長】住宅に関する固定資産税の減額措置

耐震やバリアフリー、省エネの改修を行った住宅に対する
固定資産税の減額措置が要件の見直しの上で
適用期限が2年延長(耐震は2年3ヵ月)されます。


新築住宅や新築の認定長期優良住宅の固定資産税の
減額措置の適用期限が2年延長されます。

まとめ

個人に関する税金で注意する制度は
住宅の売却、購入、リフォームなどを
行った時のものが多いです。


今回であれば
相続で取得して空き家となっている
土地家屋売却時の控除、
三世代リフォームをした場合の控除に
注意ですね。


住宅の売却時の特例や
固定資産税の特例は
延長されるので安心です。

【昨日の1日1新】

・家族4人で天下一品


【編集後記】

平成28年度の税制改正、
あと消費税の軽減税率と
納税手続きについての
記事が残ってます(^^;
(これから書きます)

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