飲食業で利益を確保するためにはFLRコスト比率の管理が欠かせません。
FLRコスト比率とは?
FLRコスト比率とは飲食業で儲けが出せるかどうかを確認する指標の1つです。
F・・・Food(フード)・・・材料費(ドリンク仕入含む)
L・・・Labor(レイバー)・・・人件費
R・・・Rent(レント)・・・家賃
とそれぞれの頭文字を取ったもので、売上高に対してこのFLRのコストが何パーセントを占めているかを表したものをFLRコスト比率といいます。
FLRコスト比率で70%、材料費と人件費だけでみるFLコスト比率で60%に抑えることが理想です。
FLRコスト比率の計算
FLRコスト比率の計算は簡単です。
FLRそれぞれのコストを合計して、売上高で割るだけです。
F(材料費)
その名のとおり飲食の原価となる材料やドリンク仕入のコストです。
実際に材料やドリンクの仕入れをした金額の合計から在庫となっている金額を差し引いて求めます。
よく原価率という言葉で表されている部分です。
業態によって異なりますが、25%から35%が目安です。
なお、月々の集計では在庫まで集計できないケースも多いのでその時は実際に仕入れをした金額だけでも構いません。
L(人件費)
役員報酬、給与手当、雑給、賞与、法定福利費、福利厚生費、研修費、専従者給与(個人事業主の家族への給与)といったコストが含まれます。
個人事業主の場合、事業主が生活費に充てる部分は経費に計上されていませんので、自ら上乗せする必要があります。
売上高の10%とするのか、自らの生活費で必要とする金額を上乗せして判断します。
R(家賃)
借りている店舗の家賃や共益費です。
自己所有の店舗の場合は、固定資産税の負担額などで考えます。
FLコスト比率の目安が60%なので、Rは10%以内が理想です。
大切なこと
FLRコスト比率を計算することは簡単です。
大切なことは、毎月、毎年とFLRコスト比率をチェックしていくことです。
当然目安であるFLRコスト比率70%、FLコスト比率60%に抑えることは1つの目標ではあるのですが、いつもFLRコスト比率をチェックすることで事業の変化を確認することができます。
FLRコスト比率が変化したときに、材料の廃棄が増えた、アルバイトのシフトがうまく組めなかったといった原因が確認できると、材料の廃棄を減らすため、アルバイトのシフトをうまく組むために何をするか、といった次の行動を考えることができますよね。
当然、売上が増えたり、減ったりすることでもFLRコスト比率が変動します。
売上の減少が原因であれば、客数が減っているのか、客単価が減ってきたのかと理由を探り、対策を立てていきましょう。
まとめ
決算書や試算表で表現される細かい数字を把握できなくても、まずは売上高、FLRそれぞれのコスト、FLRコスト比率、最終利益が把握できれば十分ではないでしょうか。
飲食業で経理を会計事務所にお願いしているのであれば、FLRコスト比率がどうなっているのか聞いてみてください。
毎月報告してもらえるといいですね。
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【編集後記】
これまでの経験上、飲食業で利益を出されている方に共通して言えるのは
FLRコスト比率70%またはFLコスト比率60%に抑えていることです。
一次的にその比率が目安を超えることはあっても、
比率を下げるために即行動されています。
FLRコスト比率を毎月お伝えすることも重要だと実感します。