おばあちゃんから「お小遣いあげるわよ~」と封筒を渡されました。中身を見ると、10万円!
嬉しいけれど、これって税金はかかるのでしょうか。
贈与税のキソ
人から無償でお金をもらった場合、気になるのが贈与税です。
他人から無償でもらった財産は、原則、贈与税の対象になります。
1.贈与税の2つの制度
贈与税には「暦年課税」「相続時精算課税」の2つの制度があり、
財産をもらった人はどちらの制度を利用するか選択することになります。
「相続時精算課税」は特殊な制度であるため、多くの方は「暦年課税」を選択されます。
2.年間110万円までなら贈与税がかからない?
よく耳にする話です。これは「暦年課税」を選択した場合のお話です。
「暦年課税」は1年間にもらった財産の合計額をもとに贈与税を計算しますが、
その財産の合計額から110万円の基礎控除を引いて税率(平成26年までは10%~50%まで)
をかけ控除額を引いて計算します。
<計算式>
贈与税の金額=( もらった財産の金額 - 110万円 )
× 税率 - 控除額
したがって、年間110万円までは贈与税がかからないのです。
複数の人から財産をもらった場合でも、財産をもらった人1人に対して
110万円の控除になります。
財産をあげた人ごとに110万円ではありませんので注意してください。
3.生活費や教育費には贈与税がかかるの?
夫婦や親子、兄弟姉妹の扶養義務のある人からもらう
生活費(日常生活に必要な金額)や教育費(学費や教材費)で
必要な金額については贈与税はかかりません。
もちろん生活費だからといって、そのお金で趣味で株式を買う、
不動産を買うとなるとそのお金は贈与税の対象になります。
この他にも香典や年末年始の贈り物、お見舞いなどのお金や品物で
一般的に必要と言われるものにも贈与税がかかりません。
一般的になので、いくらまでと言えない部分があります。
贈与税で注意しておきたいこと
1.贈与の契約や実態の証拠
年間110万円で贈与税がかからないケースや贈与税がかかるケースの
いずれにしても、財産をあげる側ともらう側が合意をした贈与契約の事実
と贈与の実態の証拠を残すことが重要です。
贈与契約であれば、贈与契約書を作成する。
実態については銀行振込で誰から誰へ贈与したのかが通帳に記載される、
その通帳をもらった側が管理していることです。
2.期間限定の制度は要チェック!
贈与には期間限定の制度があります。
そのため、知っているか知らないで損をすることになります。
父母や祖父母からの住宅資金贈与の非課税措置(一定金額まで)であれば、
今年平成26年12月31日までの贈与が対象となっています(他にも要件あり)。
他にも父母や祖父母から教育資金を一括してもらった場合の贈与税の非課税措置
は来年平成27年12月31日までの手続きが対象です。
これらは法律の改正により期限が延長されたり、金額が変更になったりする可能性がある一方、
廃止となることも考えられますので、制度変更の動向はよく注意しておきたいものです。
税金の制度はいつ変わるの?
期間限定の贈与制度、その内容がいつ、どう変わるかを知りたいところです。
例年どおりであれば12月中旬に税金の法律がどう変わるかという案が発表されます。
そして、3月頃には新しい税金の法律が国会で成立し、決定します。
衆議院の解散などがあると時期がずれることもありますので今年はどうなることでしょうか。
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編集後記
昨日はイタリアンとタイ料理をベースにしたカフェでランチを取りました。
京都は一段と寒さが増してきましたが、ピリっとしたスパイスの効いた
グリーンカレーでほっこりしました。