個人所有のマイホームを売って儲けが出た場合、確定申告をしなければいけません。
ちなみに譲渡所得の申告といいます。
儲けが出ることって多くないのでは?
マイホームを売った場合、購入時、建築時より高い値段で売れることはそう多くはありません。
多くは、買った値段と同じ値段、もしく安い値段で売れることが多いでしょう。
じゃあ、この場合は儲けたことにならないのでしょうか。
そうではありません。
確定申告をする際、儲けが出たかどうかの計算方法が決まっているのです。
金額の項目は大きく以下の4つです。
A:マイホームを売った値段
B:マイホームを買った時の値段
C:マイホームの価値の目減り分(減価償却費)
D:売る際に支払った仲介手数料や登記費用などの経費
A -( B-C+D) > 0
となれば儲けがあったことになります。
A -( B-C+D) ≦ 0
となれば儲けはなく、確定申告をする必要はありません。
ミソはC:マイホームの価値の目減り分(減価償却費)なのです。
4,000万円で購入したマイホームが3,000万円で売れても、
価値の目減り分が2,000万円、仲介手数料等200万円なら
3,000万円-(4,000万円-2,000万円+200万円)=800万円
となり確定申告が必要になります。
儲けが出た場合の税金は?
では、もし儲けが出た場合、税金の計算はどうなるのでしょうか。
1.税金の計算方法は?
計算式は 儲け × 税率 です。
ただし、税率は売ったマイホームの所有期間によって変わります。
所有期間の基準は、売った年の1月1日時点です。
□所有期間5年以下 39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
□所有期間5年超 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
これは、マイホームなど土地建物の売買に対する税率なので、給与収入や不動産の賃貸収入などとは別に計算します。
2.税金の計算には特例がある
実際に住んでいたマイホームを売って儲けが出たからといって税金が発生すれば、次に住むマイホームの資金などに影響しますよね。
そこでマイホーム売却時の税金には特例がありますので、どの特例が使えるのかも確認する必要があります。
(1)所有期間が10年超で所定の要件を満たす場合、税率を引き下げる特例
(2)計算式で出てきた儲けから3,000万円を差し引く特例
(3,000万円控除の特例)
(3)マイホームの売却と共に新たなマイホームを取得した場合に、税金の発生を先送りにする特例
(4)マイホームの売却で儲けがなく損をした場合にその損失を給与や不動産などの所得から差し引くなどの特例
但し、注意して頂きたいのが、上記(1)~(3)の特例を使うと住宅ローン控除を適用できない点です。
住宅ローン控除を優先するのか、上記の特例を使うのかで有利不利が発生してしまいます。
特例を使うべきかどうかはケースバイケースになりますので、確定申告時の相談会場で相談する、税理士に相談されることをお勧めします。
ポイント
マイホームを売った時の税金について注意したいポイントを整理しておきましょう。
☑買った値段より安い値段で売れても税金が発生する可能性がある
・価値の目減り分(事前に計算可能です)を考慮しましょう。
・買った値段が分かるように契約書、領収書などをきちんと保管しましょう。リフォームなどの費用も買った値段に含まれますので、領収書などを残しておきましょう。
☑売った年の1月1日時点の所有期間で税率が異なる
・買った時期を契約書、領収書などで把握しておきましょう。
☑特例を使って税金が発生しないケースでも住宅ローン控除が使えないため結果的に損をすることがある
・判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。
マイホームを売った時に思わぬ税金が発生した、ということがないよう税金の計算方法を理解しておきましょう。
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編集後記
事務所の近所で京都では定番のラーメン屋さん「新福菜館」さんを発見しました。
夜、その事を妻に報告したところ、健康のため
今後、「平日のラーメン屋さん」は1か月に1回まで、
ということになりました。
来月から「平日のラーメン屋さん」は慎重に選びます。