目的を正しく持つこと。その退職金準備は誰のため?

目的に合った手段を選びたいですね。

20190604

社員さんの退職金目的の保険

会社の経営者の方であれば、
こんな話を伺ったことは
ないでしょうか。

「生命保険を使って社員さんの退職金の積み立てを行いませんか。」

 「保険の商品によっては節税しながら積み立ててができますよ。」

と、いうお話しです。

例えば、こんな商品があります。

社員さんを保険の被保険者、
つまり対象者として、
会社が保険会社と契約して
保険に加入するわけです。

保険料を支払うのは会社です。

会社が支払った保険料の半分は
経費になって、その分、利益も
減るので会社の法人税は減るわけです。

しかも、
社員さんにもしものことがあれば
死亡保険金などがその社員さんの
ご家族に支払われます。

また、保険の契約期間中、
社員さんに何事もなく
保険の満期を迎えれば、
満期保険金が入ってきます。

どこに入るかとうと
会社に入ってくるんです。

そして、
会社はその保険金を受取り、
そのお金をもとに
社員さんに退職金として
支払います。

悪くはないですよね。

その退職金準備は誰のため?

会社が生命保険を活用して
社員さんの将来のために
退職金の積立てをする。

会社が社員さんの
将来のために準備をすることは
素晴らしいことだと思います。

ただ、その準備の方法として
生命保険を使うかどうかは
慎重に考えた方がいいです。

保険を使ってお金を貯める場合、
いつを満期にするのかを決めた上で
社員さんが勤務している期間、
会社は保険料を保険会社に支払い
続けます。

そして20年後、30年後と
設定したタイミングになれば
契約通りの満期保険金を
受取ることができます。

けれど、
社員さんがその20年後や30年後と
設定したタイミングで退職するとは
限りませんよね。

ひょっとすれば、2、3年で退職する
ことだって考えられます。

もともと20年、30年先を満期として
社員さんを対象に加入した保険、
該当の社員さんが退職すれば
その保険も解約しないといけません。

満期を迎える前に保険を解約すれば、
解約により支払いされる返戻金も
支払った保険料を下回ってしまいます。

つまり掛け捨てとなる部分が
でてくるわけです。

誰のための退職金の制度?

となりますよね。

目的を正しく持つこと

社員さんのための退職金制度
であるにも関わらず、

・経費を発生させて会社の節税も行う

・満期保険金も会社に入金されるから社員さんへの退職金はそのうちの一部だけ支払い残りは会社のお金にできる

といった別の目的まで
果たそうとすると
おかしなことになりますよね。

本当の社員さんのための
退職金制度を用意したいと
考えるのであれば、
国の制度などを活用する手もあります。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/taisilyokukin_kyousai/ippanchuutai/

目的を正しく持っておきたいですね。

【編集後記】

昨日は大阪での1日でした。

午前中、お客様のところで
打ち合わせのあと、
午後はあるところでの
打ち合わせ。

事務所業務に関わる
新たな仕組みの確認を
してきました。

期待していた機能を
満たしていたので、
ホッとひと安心です(^^)

【昨日の1日1新】
・freee 支払調書
・堺筋本町 DECK(コワーキングスペース)

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