対策は早め早めに。
倒産防止共済の加入をお勧めする理由
税金の負担を抑える手段として
倒産防止共済(経営セーフティ共済)への加入
という方法があります。
実際には
倒産防止共済への加入は
手元のお金を使って
あくまで税金を支払うタイミングを
先送りする手段というもの。
掛金を支払った際に税負担が減って
解約した場合には税負担が増える、
という内容です。
ただ、
・想定外の事象が起きて大幅な赤字の時に解約する
・設備投資でまとまった資金が必要な時に解約する
・将来的な役員の退職時に退職金の原資として解約する
といった解約時の資金用途が明確であれば
事業を守るためにも
倒産防止共済は積極的に活用した方がいい
と考えています。
倒産防止共済)月払い加入後、年払い移行時はタイミングに要注意
倒産防止共済の掛金の支払い方法には
月払いと前納という前払いの方法が
あります。
掛金を前払いする方法であっても
1年以内の前払いであれば、
その支払いをした年度、年の
経費の扱いにすることができます。
そのため
決算月に1年の掛金を前払い、
例えば、掛金、月20万円×12ヶ月の240万円
を支払うことで、
駆け込みの対策で税金の負担を
減らすことも可能になるわけです。
さらに、
年の途中に掛金の月払いで加入し、
掛金支払いを行い、
決算前に前払いに切替える方法もあります。
3月決算の会社が10月に加入し、
10月から2月までは毎月掛金を支払い、
3月に1年分の掛金を支払うことで
17ヶ月分の掛金を経費とすることも
可能なわけです。
ただ、この
月払いで加入した後、年払いに移行する方法
には注意が必要です。
月払いでの加入時は口座振替により
掛金を支払うことになります。
申込み手続きを行い、
最初の掛金の支払いが行われるタイミングは申込月の翌々月
になります。
1月に申込をすれば3月に口座引落し
となるわけです。
1月、2月が決算の会社であれば、
加入申込をしたものの、
掛金の支払いができていないので
掛金を経費として扱うことはできません。
少なくとも2ヶ月前には加入を済ませないといけない
ということになります。
そして、
月払いから年払いに移行するためには
年払いをする月の5日までに
「前納申出書」という書類が
管轄である中小機構に届いている
必要があります。
https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/customer/procedure/installment/02.html
つまり
3月決算で、3月から前払に切替える
のであれば
3月5日までに書類が届くように
手続きを終えないといけません。
さらに、
この前払の手続きをする際には
倒産防止共済の共済契約者番号
の記載が必要になるのですが、
共済契約者番号は
加入申込月の翌月下旬に発行される契約証書
でしか確認できないのです。
従って、
2月に倒産防止共済に月払いで加入して、
3月に年払いに移行することは
手続き上、できません。
もし1月に倒産防止共済への加入手続きを
したとして書類の不備などにより
共済証書の発行が遅れてしまうと、
3月の年払い手続きができない、
という事態にもなりかねません。
ポイントは
月払い加入時には最初の掛金の支払い時期が申し込み月の翌々月になる
共済契約者番号は加入申込月の翌月下旬に発行される契約証書でしか確認できない
ということです。
決算に向けた対策は前倒しで
決算対策の事前打ち合せとして
決算での利益や納税の予測を
顧問契約をしている
会計事務所と行うことが
あると思います。
もし、この事前打ち合わせが
決算の直前になってしまうと
倒産防止共済に加入する手段は
来期に向けた手続きしかできない
ことにもなりかねません。
倒産防止共済に限らず
決算に向けた対策はできるかぎり
前倒しで行うことをお勧めします。
新しい年度が始まるタイミングから
対策を考えるぐらいで十分です。
決算、申告が終わったら
次の決算の利益、納税の見込み額を確認する
ようにしたいですね。
【編集後記】
アメリカの大統領選挙の状況を見ていると
どこから、誰から情報を得るかによって
全く違う情報になることがよく分かります。
真実はどこにあるのか、
は自分自身で考えながら見つけていかないと
と考えています。
情報が偏っていたり、
伝えられていない情報があること、
有識者だからといって
正しいことを伝えているとは限らないこと
を認識しておかないといけませんね。
【昨日の1日1新】
・とくになし