活用したい経営セーフティ共済(倒産防止共済)のメリット・デメリット

会社や個人事業者の節税策としてよくお勧めする制度に「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」 があります。活用しやすい反面、注意点がいくつかあるので、内容を確認してみましょう。

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経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは

どんな制度なの?

経営セーフティ共済とは、中小企業倒産防止共済ともいい、中小企業が得意先の倒産などで経営難に陥ったり、連鎖倒産したりすることを防ぐ目的で設けられた制度です。

独立行政法人中小企業基盤整備機が法律(中小企業倒産防止共済法)に基づいて運営していますので、いわば国の制度とも言えます。

制度の内容は、中小企業や個人事業者(加入条件があります)が毎月もしくは毎年掛金を支払います。 加入後6か月経過以降に取引先の倒産があった場合には、掛金の10倍(もしくは被害総額の少ない方) までのお金を貸し付けてもらうことができます。得意先の倒産がない場合も一時貸付けとしてお金を借りることも可能です。

また、支払った掛金は会社、個人事業ともに全額(1年以内の前納まで)経費にすることができます。掛金は月額5,000円から20万円まで自由に選ぶことができ、総額で最高800万円まで掛けることができます。

もともと、月額掛金が最高8万円、掛金総額が320万円までだったものが平成23年10月より増額された ことで利用の幅が広がることになりました。

加入条件や掛け金の取り扱いなど詳しくはこちらで。

倒産防止共済のメリット・デメリット

活用しやすい理由は?

なぜ、倒産防止共済が使いやすいかというと、節税メリットがあると共に企業や事業のリスクヘッジに役立つからです。

主なメリットを上げてみました。

☑1年分までの掛金を経費にすることができる

今年は業績が良くて、例年より利益が増えそうだといった時に、決算月にまとめて1年分の掛金を支払うことで1年分、最大240万円(20万円×12か月)の経費を生むことができ、経費が発生した分、法人税や所得税・住民税 の負担を減らすことができます。

☑任意解約により解約手当金を受け取ることができる

掛金を12ヶ月以上払い込むと、任意解約が可能になります。任意解約の場合、12か月の払込みで掛金の80%が解約手当金となりますが、掛金納付月数が40か月以上となると掛金と同額の解約手当金となります。突発的な事象が生じた時には任意解約によりお金を確保することができます。

☑任意解約の時期を自由に選ぶことができる

保険商品などによっては解約時期による解約返戻率の差により損得が発生しますが、40か月以上経過するといつ解約しても100%の解約手当金となるので事業の状況に応じて任意の時期に解約することができます。

☑掛金月額の増額、減額をすることができる

制度加入後の業績によって掛金月額の増額、減額ができます。 減額の場合は、事業規模縮小の場合などの理由が必要です。

もちろん、メリットだけではなく、デメリットもあります。

☑掛金として支払った分、お金がなくなる

国へ積み立てしますので、当然、自由に使えるお金が減り、資金繰りに影響を与えます。

☑任意解約による解約手当金は会社、事業の利益、収入となる

解約した年にはその年の利益になり法人税や所得税・住民税の対象となります。 メリットにある掛金支払い時の法人税や所得税・住民税の負担軽減も解約時までその負担を先延ばししていただけということになります。

まとめと注意点

制度を利用するにあたり

倒産防止共済は利益が上がった年に使い道のない余剰資金はあるけど、将来の業績悪化時のリスクヘッジをしておきたい、将来的に設備投資を予定しているといった場合に非常に有効な制度です。

ただし、制度の利用には下記のような細かい注意点がありますので、日常の必要資金とのバランスをみながら活用を検討して下さい。

☑毎年の掛け金を払い続けていけるお金を確保できるか?

・掛金の減額には事業縮小等の理由が必要ですので、毎月もしくは毎年払い続けることができるかを確認しましょう。

☑過去に倒産防止共済に加入している場合、現在の掛金総額を確認したか?

・掛金の総額は800万円までですが、前年までの掛金総額が750万の場合は、50万円までしか掛金を払い込むことができません。この場合に今年も倒産防止共済で120万円経費にできると思っていると思わぬ見込み違いとなります。

・毎年2月下旬に送られてくる掛金納付状況のお知らせで確認しましょう。

☑前年以前に1年分の前払いを開始した場合に、今年も前払いの手続きを行ったか?

・1年分の前払いを毎年行う場合には、毎年、申請手続きが必要です。申請をしない場合は、月払いに変更になってしまいます。しかも、前払いをするには、前払いをする月の5日までに申請手続きを完了する必要があり、早めの準備をしなければいけません。

☑法人税や所得税の申告書に添付書類を付けているか?

・法人税の申告や個人の所得税確定申告で専用の添付書類を付ける必要があります ので、漏れないように注意しなければいけません。

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【編集後記】

昨日は東京出張でした。行きは新幹線で、帰りは初めて夜行バスを試してみました。

東京→京都間で7,000円。

足が十分に伸ばせて、シートも146度のリクライニングで思ったより疲れも残らずでした。

コスト削減にもなりますが、朝より活動できて時間の有効活用になりますね。

おそらく今後も利用します。

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