会社や個人事業主の方が決算をして、いざ税金の計算をすると思った以上の税負担に。
今からでもできることは、まず決算時点で未払いとなっている経費の計上がもれていないか確認することです。
未払いの経費とは?
物の購入の場合はその物の引き渡しを終わっている状態、サービスの提供の場合はそのサービスの提供を既に受けている状態であれば、決算日を迎えた時点でその費用の支払いがまだであっても経費として計上することができます。
税金の負担が大きいのでなるべく節税したいという時には、まずこの未払いの経費をもれなく計上されているか確認しましょう。
では、実際にどういったものがこの未払いの経費に該当するかというと、締め日以後の給与や社会保険料、固定資産税や償却資産税、日常の消耗品やその他の経費になります。
締め日以後の給与や社会保険料はこちらのブログにてご覧下さい。
決算日を過ぎてからの会社・個人事業主の節税策。社会保険料や締め後給与の未払い計上を検討しましょう。
固定資産税や償却資産税の未払い分はないですか?
経費の計上時期を選ぶことができる税金
自社所有の不動産や自己所有の事業用不動産を所有している場合の固定資産税や都市計画税、償却資産税や不動産取得税、自動車税といった税金については会社、個人ともに経費への計上時期を選択することができます。
市町村や都道府県が税額を決定して納税者に納付書が送られてくるこれらの税金は、原則はその市町村や都道府県が金額を決定したタイミング、つまり納税通知書が届いたタイミングが経費の計上時期になります。
例外として、固定資産税のように、年4回に納期が分かれているものであれば、それぞれの納期の開始日や実際に納税をした日に経費として計上することもできるのです。
例えば、固定資産税や都市計画税なら
固定資産税や都市計画税は通常4~5月頃に納税通知書が送付されるますので、そのタイミングで経費に計上することになります。
したがって、納税通知書が届いた4~5月頃に1年分の固定資産税の経費を計上することができます。
例えば、12月決算の会社や個人事業主で固定資産税を支払いの都度経費に計上している場合、翌年の2月に納税する固定資産税も金額も未払い経費として計上することができるのです。
一方で、納税をした日の経費として計上することもできますので、選択の余地があります。
先程の例であれば、翌年2月に納税した固定資産税は翌年度、翌年の経費にすることもできるのです。
その他の未払い経費の確認のポイント
その他にも決算日より後に支払う経費で未払い経費に該当するものがあります。
水道光熱費や電話代などが代表例
水道光熱費や電話代の通信費などが分かりやすいところでしょうか。
これらの経費は実際に使用した期間の後に請求がされることがほとんどです。決算日を過ぎた後に届いた請求書の中に、決算までの期間が対象となっているものがないか確認しましょう。
消耗品の購入や車両のガソリン代などでも後払いのものがありますよね。
クレジットカードで支払ったもの
またクレジットカードで支払ったものなどは、支払いが翌月、翌々月となりますので、クレジットカードの明細で未払いとして計上できるものがないか確認しましょう。
ただし、クレジットカードの明細で確認する方法は、明細自体の送付が口座引き落とし前となってしまうため、決算の確定が遅くなってしまいます。
できれば、クレジットカードの明細ではなく、カード払いの都度発行された領収書で確認する方が望ましいです。
最近では、クレジットカードの明細をインターネットで閲覧できるケースも多いので、その場合は郵送で送られてくる明細を待たなくてもいいですよね。
経費ではありませんが、仕入れの計上も確認を
あと、経費ではありませんが、商品や材料の仕入についても決算日までの仕入れがもれなく計上されているか確認しておきましょう。
例えば、仕入先の締め日が20日で決算日が月末の場合、21日から決算日である月末までに仕入れをしてものについては仕入として計上しなければいけません。
決算日時点で手元にある仕入先からの請求書はあくまで決算月の20日で締め切られた内容ですので、21日以降月末までに仕入れたものを納品書などから集計し、仕入れとして計上する必要があります。
もちろん、その仕入れたものが決算日において残っている場合は在庫として計上されます。
もし在庫として計上されて仕入れが計上されていないとなると、利益が増え、余分な税金を支払うことになってしまいますのでご注意ください。
まとめ
この未払い経費をもれなく計上することが決算日を過ぎた後でもできる節税対策になります。
未払い経費の計上は、節税対策という側面がある一方、決算という作業の中で正確な経営成績や事業の資産がいくらで、負債がいくらといった財政状態の数字を出すためには必要な作業ともいえます。
また、決算をしてから未払いの経費に何があるか探すのではなく、普段から後払いの経費を確認して一覧にしておけば、決算時に未払いの経費を集めることがスムーズになります。
決算はまだ先だよという方も普段の経理の中でそういった確認をしてみて下さい。
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【編集後記】
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