平成26年もあとわずかですね。
今年、金を売って利益が出たよという方は確定申告の準備をお願いします。
平成24年以降、1取引で200万円を超える金の買い取りをした事業者は税務署に支払内容を記した調書を提出することになっています。
それに伴い金の売買に関する税務署の調査が増えています。
調査が増えているということはそれだけ金の売買に関する申告漏れが多いことの表れでもあります。
金を売った時の税金は?
金の現物、延べ棒、バーなどの塊のことを金地金といいます。
金地金を売って利益が出れば所得税や住民税がかかります。
税金の計算は金地金だけでなく、ゴルフ会員権や事業に使用している車などと一緒に総合譲渡という区分で計算します。
そして給与とか不動産収入の税金対象額である給与所得や不動産所得と合算して税金計算を行います。
この総合譲渡はそのモノを買った日から売った日までの所有期間によって計算が変わります。
なお、土地や建物、株式など総合譲渡という区分ではなく別の区分で計算します。
1. 所有期間が5年を超える場合
a. 売却利益 =
そのモノを売った値段 - (そのモノを買った値段 + 売却時の手数料など )
b. 課税所得の金額 =
(金地金の売却利益 + 金地金以外の売却利益) - 50万円の特別控除額
c. 課税所得の金額 × 1/2 = 税金の対象となる課税所得
2. 所有期間が5年以内の場合
a. 売却利益 =
そのモノを売った値段 - (そのモノを買った値段 + 売却時の手数料など )
b. 税金の対象となる課税所得の金額 =
(金地金の売却利益 + 金地金以外の売却利益) - 50万円の特別控除額
所有期間が5年を超えることで税金の計算が優遇されることになります。
ちなみに土地や建物を売った時の税金を計算するときは、所有期間を売った年の1月1日時点で判断しますが、こちらは売ったその日で判定しますので要注意です。
譲渡所得の計算時に知っておきたいポイント
この金地金を含む譲渡所得の計算ですが、気をつけて頂きたい点がいくつかあります。
1. 所有期間が5年以内か超かが重要
所有期間が5年を1日でも超えれば、税金の対象額が1/2なります。譲渡所得の対象となるモノを売るときにはその所有期間を確認しましょう。
2. 総合譲渡の特別控除は5年超、5年以内合わせて50万円まで
5年超、5年以内の両方の譲渡所得がある場合、控除できる50万円は両方を合わせて50万となります。それぞれで50万円を引くわけではありません。
3. 金地金だけじゃなく他の資産も一緒に計算する
金地金だけでなく、ゴルフ会員権や事業に使用している車両などの売却も一緒に計算します。
4. 事業で使用している車両などを売却して発生した損は他の事業の所得を通算できる
事業で使用している車両を売って損が出た場合は、事業所得という計算ではなくこの譲渡所得で計算し、その計算で発生した損は他の事業所得や不動産所得と相殺することになります。
5. ゴルフ会員権を売却して発生した損失による節税には制限がある
4.のように事業用の車両で発生した損は他の所得との相殺が可能ですが、ゴルフ会員権で平成26年4月1日以降の売却であれば、扱いが異なります。
同じ譲渡所得の利益とは相殺できますが、給与や事業、不動産などの別の所得とは相殺できませんので注意して下さい。
そのためゴルフ会員権の売却で節税したい、という方は平成26年3月31日までに売却されているはずです。ただし、今年の3月31日までに売却できなかった方も、金地金の売却で利益がある場合、ゴルフ会員権の売却による損と相殺できますので活用の方法はあります。
ゴルフ会員権だけでなくリゾート会員権なども同じ扱いです。
6. モノを買ったときの資料を残しておく
譲渡所得の計算では買った時の値段を差引きしますので、買った時の書類が必要です。
もし、金地金を売った場合で、買った時の書類がない場合には、通帳などで買った年月などを調べて下さい。購入時期が分かれば、相場から買った値段を計算することができます。
まとめ
譲渡所得の計算にはいろいろと注意点があります。
まず、覚えて頂きたいのは、
金地金を売って利益がでたら税金の申告が必要であり、そのお金を残しておく必要があることです。
さらに、売却する前に所有期間が5年を超えるどうかもの確認も重要ですね。
今年を金を売ったよという方は今のうちに買った時の書類など探しておいて下さい。
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編集後記
昨晩は一年ぶりに神戸の三宮へ。
以前に勤務していた会社の諸先輩方との集まりでした。
退職して10年以上経ちます。
離れた京都で別の業界で仕事をしているにもかかわらず、毎年、声を掛けて頂けるのはありがたいことです。