交通系ICカードとクラウド会計ソフトを連携させると経理処理が簡単になります。
交通系ICカードとクラウド会計ソフトの連携で経理処理を簡単に
電車移動が多いと経理処理が面倒です。
6/10 旅費交通費/現金 560円 JR/京都-大阪
6/11 旅費交通費/現金 210円 地下鉄/京都-四条
6/11 旅費交通費/現金 210円 地下鉄/四条-京都
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電車代の記帳にはこういった記録を会計ソフトで記帳するか、Excelで旅費交通費の精算書に記録するといった手間が発生します。
交通系ICカードを利用している方であれば、チャージをした金額、クレジットカードで引落しされた金額を旅費交通費として計上される方がいますが、同じカードでモノを買うなど別の支払いをしている可能性もありよくありません。
そこで、交通系ICカードとクラウドの会計ソフトの連携により経理処理を簡単にします。
交通系ICカードPitapaとクラウド会計ソフトfreeeの連携
今回は交通系ICカードPiTaPaとfreeeの連携方法をみてみましょう。
交通系ICカードとfreeeの連携は必ずしも全てのカードでできる訳ではありません。
あくまでインターネット上で明細を見ることができて、freee側が対応しているカードが対象です。
関西であれば、PiTaPa、スマートICOCAは連携できます、通常のICOCAだと連携できません。
PiTaPaとの連携設定
freeeの画面から「口座」-「口座を登録」を選択します。
検索ボックスに「pi」と入力するとPiTaPaが絞り込みされます。
PiTaPaの場合、あらかじめPiTaPa倶楽部に登録してインターネットから利用明細の閲覧ができるようにしておく必要があります。
PiTaPa倶楽部のID・パスワードを登録します。
設定できると明細データの取り込みが始まります。
これで連携の設定は完了です。123件のデータを取込みました。
自動処理の設定
freeeの画面で「取引」-「自動で経理」のメニューに進むとPiTaPaより取込んだデータが表示されます。
PiTaPaで利用した1件1件の明細が取込まれていますが、このままでは1件1件、「旅費交通費」の勘定科目を設定しないといけません。
取引内容の文字が毎回同じであれば、この画面で勘定科目「旅費交通費」を選択し、右側にある「□自動化」にチェックを入れて登録すれば、今後はこの画面での登録作業なしに自動で「旅費交通費」の取引が作成されます。
しかし、PiTaPaから取込んだ明細の内容は、
「16:48京都市営バス」「18:15自転車駐輪場」・・・
時間と利用先の組み合わせなので、この画面での自動化登録は意味がありません。
自動登録ルールの作成
そこで、自動登録ルールを自ら作成します。
メニュー「設定」ー「自動登録ルールの設定」です。
赤で囲んだところの設定を行い、作成ボタンを押します。
設定のポイントは取引内容に「:(コロン)」を入れている所です。PiTaPaの明細には時間の情報がありますので「:(コロン)」が一部でも入っていれば(部分一致)という条件にするのです。
自動登録ルールを作成したらもう一度「取引」-「自動で経理」に戻ります。
画面右上の三のマークをクリックし、「全件に自動登録ルールを適用」を選択します。
続いて「処理する」を選択します。
これでPiTaPaで支払いをした旅費交通費の取引117件を登録することができました。
仕訳帳で確認できます。
借方 旅費交通費 / 貸方 PiTaPa という仕訳です。
以降はfreeeとPiTaPaが自動で連携して、旅費交通費の取引が自動で登録されます。
PiTaPaの支払いはクレジットカードで行いますので、支払った時に
借方 PiTaPa / 貸方 預金科目など という仕訳を登録します。
こちらもネットバンキングやクレジットカードの明細をfreeeに取込むようにしておけば自動で取引が作成されます。
最初の設定を間違えなければ経理処理が劇的に早くなりますね。
注意点
非常に便利なfreeeとPiTaPaの連携ですが、注意点もあります。
freeeの無料プランだとCSVエクスポートに制限がある
freee以外の会計ソフトを使用している場合でも、freeeで自動作成された仕訳データのCSVを取込めば記帳が簡単になります。
しかし、freeeの無料プランの場合、CSVで出力できる件数10件に限られてしまうので現実的ではありません。
有料は個人で月額980円(税込)、法人で月額1,980円(税込)です。
年払いだと個人9,800円(税込)、法人19,800円(税込)です。
旅費交通費の経理業務の効率化だけだと費用負担はもったいないですね。。
オートチャージの処理を忘れずに
PiTaPaにはオートチャージという設定があります。
PiTaPaを使用してJRを利用する場合などには、PiTaPa自身にあらかじめチャージをしないといけないのですが、チャージ残高が一定額以下の状態で私鉄や地下鉄など対象の会社の改札を通ると自動でチャージをしてくれるというものです。
上記で設定した自動登録ルールだと、
「オートチャージ」された金額も旅費交通費として計上されてしまいます。
チャージされた金額で支払いしたJRの個別の利用金額も計上されるので二重で取引が旅費交通費が計上されます。
オートチャージの部分だけ取引を削除するか、
振替伝票で 借方 PiTaPa / 貸方 旅費交通費
という取引を登録するしかありません。
自動登録ルールで調整できるといいのですが。。
※2015/6/15追記
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オートチャージの取引については上記で旅費交通費の二重計上を避けることができますが、クレジットカードでの支払い時にはオートチャージした金額が引落しされますので、カード支払時に経理処理で注意する必要があります。
PiTaPaの残高とカード支払の金額が異なるので、引落し時やクレジットカードとの連動時に差額を「貯蔵品」勘定に振替えるなど取引の追加が必要になります。
——
PiTaPaの科目がマイナス残高となる
気になる方は気になりますよね。
PiTaPaは電子マネーと同じ扱いなので資産科目です。
でも、内容は電車を利用する度にマイナスになるので、常にマイナスで表示されます。
決算のときは振替伝票で未払金に振替えるなどすると見栄えがよくなりますね。
そうしなくてもいいように、クレジットカードと同じ設定にできれば負債として表示され、マイナス残高もなくなるのですが。。
まとめ
昨年から継続して自身の会計にfreeeを使っています。
ネットバンキングやクレジットカードとの連携ももちろん便利なのですが、PiTaPaとの連携もそれと同じぐらい経理の効率化に役立っています。
freeeの有料プランを選択する必要があるので、freeeを会計ソフトとして利用する、他の会計ソフトを利用するとしても日常はfreeeで経理をする方に限られますが、freeeを検討するポイントの1つになります。
複数のPiTaPaのIDと連携することもできるので、運用方法を考える必要がありますが、会社の社長や個人事業主だけでなく、他の役員、従業員のPiTaPaとも連携すれば旅費精算が楽にできそうです。
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【編集後記】
MFクラウドでもPiTaPaとの連携ができるので、
こちらは後日記事にする予定です。