講演会で招いた講師や外注先の個人に対して報酬とともに旅費や宿泊費を支払うケースがあります。
講師や外注先などの個人に支払う旅費からも源泉徴収が必要です
源泉徴収義務のある会社や個人などが次のような個人にあらかじめ決められた報酬や料金を支払った場合、その報酬や料金から所得税と復興特別所得を差し引かなければいけません。
所得税と復興特別所得税を差し引かないといけない対象者は、原稿を作成するライター、デザイナー、税理士、弁護士、講演を行う講師などです。
そして報酬や料金から差し引いた所得税と復興特別所得税を国に納める必要があります。
この時よくある間違いが、報酬や料金とともに支払った旅費や宿泊費について源泉徴収の対象としていないことです。
たとえ、旅費や宿泊費であっても報酬や料金とともに源泉徴収をしなければいけません。
旅費や宿泊費が源泉徴収の対象となる理由
1. 旅費や宿泊費であっても性質は報酬と同じ
旅費や宿泊費という名目での支払いを行ったとしても、その支払った金額については報酬や料金とその性質は同じだからです。
支払いを受けた個人からすると旅費や宿泊費という名目であってもお金をもらったことには変わりありません。
あくまでそのお金をもとに旅費や宿泊費の支払いをするということです。その個人の確定申告で、実際に支払った旅費や宿泊費を経費として申告することになります。
2. 源泉徴収をしないくてもいい例外がある
但し、源泉徴収をしなくてもいい場合があります。
報酬を支払う側が交通機関やホテルなどに直接、旅費や宿泊費を支払う場合です。
この場合、報酬の支払いを受ける側はその旅費や宿泊費がいくらであったかを確認することは難しいため、例外的に源泉徴収をしなくてもいいことになっています。
源泉徴収をしなかったらどうなる?
では、旅費や宿泊費の源泉徴収をしていなかったらどうなるのでしょうか。
報酬の支払いをする側は源泉徴収もれとなるため、改めて源泉徴収をして所得税と復興特別所得税を納める必要があります。
一方旅費や宿泊費を受け取る個人側では、その個人が消費税を納めている事業者であれば消費税の対象となる売上に旅費や宿泊費相当を含めていない可能性があり、消費税の納税漏れに繋がる可能性があります。
報酬や旅費を支払う側、受け取る側双方にとって手間がかかることには間違いありません。
まとめ
役員や従業員に支払う交通費は所得税が非課税とされていることから、外部の講師や外注先の個人に支払う旅費や宿泊費も源泉徴収の対象にならないと理解されがちです。
外部の講師や外注先に報酬を支払う機会が多い事業者は特に気を付けて頂きたいところです。
後になって税務署から指摘を受けるということがないようにしておきましょう。
また、報酬の支払いを受ける側においても旅費や宿泊費相当についても源泉徴収の対象とする請求書を発行しないといけませんね。
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【編集後記】
息子の消防車好きに拍車が掛かってます。
「40メートル級はしご車」
「屈折放水塔車」
「排煙高発泡車」・・・
ついていくのが大変です(^^;