経営セーフティ共済(倒産防止共済)。法人と個人の出口戦略。

入口と出口の確認が欠かせません。

20210222

節税のためだけの加入はNG

節税対策の1つとして
よく紹介されるもの1つが

経営セーフティ共済(倒産防止共済)

です。

中小企業が取引先の倒産に伴う
連鎖倒産などを防ぐために
国によって設けられた制度です。

取引先の倒産などがあれば
無担保・無保障で掛金の最大10倍、
8,000万円までの借入をすることが
できるというもの。

しかも
借入ができるというだけでなく、
経営セーフティ共済(倒産防止共済)
に対して支払った掛金が
全額、経費になるので、
結果的に税金の負担も抑えられる
というメリットがあるんです。

※個人事業主の場合、事業所得以外(不動産所得など)
については、経費扱いができないので
税金の負担を抑える効果はありません。

そのため、
利益が増えて税金も増えそう、
という時に節税の手段として

経営セーフティ共済(倒産防止共済)への加入

が紹介されます。

けれど、節税のためだけに
経営セーフティ共済に加入することは
NGだと考えています。

経営セーフティ共済(倒産防止共済)。法人の出口戦略と個人の出口戦略。

なぜ、節税のためだけに
経営セーフティ共済に加入することが
NGかというと、
出口戦略を理解していないことで、
経営セーフティ共済の解約時にも
税金の負担が発生し、

税金の支払い時期を先送りしただけ

に終わる可能性があるからなんです。

経営セーフティ共済は最大800万円まで
積み立てることができますが、
800万円まで積立てた後、解約する場合は
全額である800万円が解約した年の利益
となります。

法人税は利益800万円までの税率に比べ
利益800万円を超えた部分に掛かる税率は
高くなっています。

もともと利益がある年に解約した場合、
800万円の利益が出ているところで
経営セーフティ共済を解約し
800万円利益が増えてしまうと、
高い税率で法人税が計算されることに
なります。

つまり

掛金を支払った時に負担が減った法人税額に比べて
解約した時に負担が増えた法人税額の方が多い

ということも起こりえるのです。

こうしたことにならないためにも
経営セーフティ共済(倒産防止共済)の
出口戦略を確認しておきましょう。

1.想定外の事情で赤字が発生した年に解約する

2020年の新型コロナ感染症の発生、
のように想定していない事象により
赤字に転落する見込みとなった。

こうしたときには
倒産防止共済を解約金で
赤字を補てんすることができますし、
解約金の全てに税金が掛かることも
ありません。

また、赤字の金額に比べて
解約金の金額が大きく上回るという場合で、
今権の業績の回復が見込めるようであれば、
再度、倒産防止共済に加入し
積立を開始することも考えておきましょう。

2.多額の設備投資が必要なときに解約する

新事業や新規店舗の立上げなど
多額の設備投資を行う際に
解約する手もあります。

倒産防止共済の解約金相当額の
経費が発生する訳ではないので、
解約に伴う税負担が発生する可能性
もありますが、
新事業や新規店舗の当面の運転資金の
一部に回すこともできますよね。

3.役員の退職金の原資にする

1.のような赤字になることもなく
2.のような多額の設備投資をする予定もない
場合には役員の退職金の原資にする
方法もあります。

役員として会社をリタイアする際に
経営セーフティ共済を解約して会社に資金を集めて
役員退職金を支給する。

経営セーフティ共済の解約金により利益は増えますが、
同時に役員退職金の経費も発生するので
税金の負担を抑えることができます。

あくまで
会社の場合でのみ使うことができて、

個人事業主の場合には使うことができない

方法です。

個人事業主の場合で
赤字になる心配もなく、
多額の設備投資をする予定のない場合には
倒産防止共済への加入が必要か、
どんな出口戦略を取ることができるか、
よく考えないといけません。

出口戦略まで考えて効果を発揮させる

経営セーフティ共済は
掛金が経費扱いになって
税負担を抑えること
だけを目的に加入することは
避けた方がいいです。

どんな出口戦略を採用できるかまで
確認した上で
どんな効果が発揮できるかを確認して
加入するようにしましょう。

【編集後記】

昨日は午後から事務所に出勤して
確定申告や法人のお客様との打ち合わせ準備など。

事務所内のプリンターの1台を
座りながらも手の届く位置に
移動しましたがもっと早くしておけば
よかったですね(^^;

動線も大切ですね(^^;

【昨日の1日1新】

・電子証明書受領書オンライン送信
・Cao cafe Ishikawa ハヤシライス

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