平成28年度税制改正のポイント【税金の手続編】

納税の手続きや罰金についての改正もあります。

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税金の手続きに関することも

税制改正案である税制改正大綱には
法人税や所得税、消費税といった
税金の計算に関する制度変更以外にも
手続きに関する内容も含まれています。


手続きに関する内容であっても
知らないと損をすることもあります。

平成28年度税制改正の手続きに関する内容

平成28年度税制改正で手続きに
関する改正内容について見てみましょう。

【新設】クレジットカード納付制度

平成29年1月4日以降、国の税金の支払いが
インターネットとクレジットカードで
できるようになります。


これまででも
事前に税務署に届出を出しておく
ダイレクト納付や
インターネットバンキングによる
電子納税の手続きによって
預貯金の口座からの納税ができました。


けれど、クレジットカードでの納税
であれば、お金が出ていくタイミングが
期限日より遅くなるので資金繰りが
楽になりますね。


個人の所得税や消費税であれば
口座振替の手続きをしておけば
確定申告期限である3月15日に納税を
しなくてもいいのですが、
会社の税金支払いには有効です。


ただし、
デメリットとしてクレジットカード
利用手数料を納税者が負担しないと
いけないことがあります。


東京都だと1万円毎に73円。
手数料を払ってでも資金繰りを
優先するかどうかです。


カード払いにより仮に1.5ヵ月支払いが
遅くなるとして約6%の手数料。


金融機関でお金を借りて納税した方が
いいかもしれませんね。

【見直し】罰金の強化(加算税制度の見直し)

平成29年1月1日以降に期限を迎える
国の税金について加算税制度が見直し
となります。


主な内容としては2つあります。

1. 税務調査の通知を受けた場合

税務署から税務調査の通知を受けた後、
実際の税務調査が行われるまでの間に
これまでの申告に誤りがあったことや
申告をしていなかったことに
自ら気付くことがあります。


この場合、
税務調査でその指摘を受けるまえに
自主的に申告を修正すること(修正申告)や
期限後の申告をすること(期限後申告)で
課せられる罰金は少なくて済みます。


修正申告により追加で納めた税金に
対して発生する罰金が
過少申告加算税といいます。


期限内に申告しておらず、
期限後になって申告した場合に
納めた税金に対して発生する罰金を
無申告加算税といいます。


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2.過去に無申告加算税や重加算税が発生している場合

期限後申告や修正申告を行った場合、
過去5年以内に無申告加算税や
重加算税が発生している場合は、
今回の申告により発生する
無申告加算税や重加算税の
負担が重くなります。


重加算税は事実を偽ったり、
意図的に隠したりした申告に
対するペナルティーです。


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【見直し】マイナンバーを記載する対象書類の見直し

マイナンバーの記載が必要と
なっている書類のうち、
届出書等については
マイナンバーの記載が
不要となりました。


所得税の青色申告承認申請書や
消費税の簡易課税制度など
税金の金額などを直接記載しない
書類が対象です。


改正は平成29年1月1日以降に
提出する書類から対象となりますが
それ以前で提出する場合でも
マイナンバーの記載がなくてもよいと
されています。

【見直し】国税関係書類のスキャナ保存制度の見直し

あらかじめ税務署に対して申請をして
承認を受けることで
契約書や領収書、納品書、
見積書といった書類を
紙の保存ではなく
スキャナによる電子データで
の保存が認められます。


承認を受けるためには
契約書や領収書の電子データ
に対してタイムスタンプという手段で
電子的な時刻証明を取る仕組みや
規程の作成など運用ルールを
設ける必要があります。


実施するにはハードルが高いのですが、
この要件が少し緩和されます。


例えば、タイムスタンプを付ける
タイミングや定期検査で税理士による
検査を認めるなどです。


平成28年9月30日以降の承認申請から
改正されます。


ただし、まだ手続きや運用の負担が重く
中小企業では現実的ではありません。

まとめ

クレジット納付制度の創設と
罰金の強化が
税金の手続きに関する
今回の改正の主なポイントですね。


平成28年度の税制改正については
こちらもどうぞ。


平成28年度税制改正のポイント【会社・個人事業者編】
https://balance-blog.com/outline-taxreformplan2016-1

平成28年度税制改正のポイント【個人編】
https://balance-blog.com/outline-taxreformplan2016-2

平成28年度税制改正のポイント【消費税高額資産の取得編】
https://balance-blog.com/outline-taxreformplan2016-3


【昨日の1日1新】

annee


【編集後記】

書類のスキャナ保存制度が
もっと簡単になって
欲しいものです。


現状使っているスキャナは
重宝しているので、
さらに有効活用したい
ところです。

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