単純な比較は危険です。
売上の前年比較で判断する
「先月の売上金額は前年に比べて増えていたから問題ない。よかった、よかった。」
先月の売上高と
前年同月の売上高を
比べることで
現在の業績がいいのかどうか、
を確認することが
少なくありません。
税理士や会計事務所の担当者が
お客様のところに訪問して
数字の報告をするときには、
先月の売上と前年同月の売上と
比較する資料を用意することが
多いです。
今年の売上の数字だけを見ても、
利益が出ていれば、
その売上が良かったのかどうか
分かりません。
本当は、
目標売上として計画していた金額があって、
その目標を達成したのかどうかを
確認するのが一番ですが、
そういった目標金額がないケースだと
去年の数字と比べるしか、
ないんですよね。
売上の前年比較の意味
だからといって、
先月の売上と前年同月の売上を
ただ比べればいいかというと
そうでもないんです。
業種によっては単純に比較しない
方がいいこともあります。
例えば、
飲食店や小売店、理美容室のように
営業日数によって売上金額が左右される
ケースです。
先月の売上 600万円
前年同月の売上 590万円
の場合。
この2つの数字だけを見ると
今年の売上の方が去年より
伸びているので、よかった、
という判断になりますよね。
でも、
先月の営業日数、30日、売上600万円
前年同月は営業日数28日、売上590万円
となればどうでしょうか?
1日あたりの平均売上でみると、
先月は1日平均20万円の売上です。
前年同月はというと
1日平均の売上は約21万円に
なります。
するとどうでしょうか。
実は去年の方が業績がよかった、
のかもしれませんよね。
1日当たりの売上は減っているけれど
たまたま営業日数が多かったから
1ヵ月の売上が増えた、
のかもしれません。
さらに、この数字の曜日別でも
見てみると新たな事実が分かります。
金、土、日に売上が増える業種の場合、
その1ヵ月に週末の曜日が
何回あったのかで売上金額も
大きく左右されますよね。
去年と今年で週末の営業日数が
どれだけあるかによって
どちらの業績が良かったのかの
判断もまた変わるかもしれません。
売上の前年比較は注意してみないと
売上は増えているように見えるけど
実は業績が悪くなっている。
なんてこともあるわけです。
こういったことを理解した上で
数字は比較した方がいいですよね。
売上の前年比較は構成要素で比較しましょう
売上の前年比較だけを見ると
経営の判断を誤る可能性が
あるわけです。
課題があるにも関わらず、
売上金額が増えているから
といって
何もしなくてもいい、
そんな判断になりかねませんよね。
だからこそ、
売上の前年比較をするときには
売上の構成要素で比較するように
しましょう。
・客数
・客単価
・営業日数
・曜日別の営業日数
・新規やリピートの比率
・サービスや商品ごとの売上金額
こういった
1つ1つの数字で
去年と今年を比べてみる。
そうすれば、
現在の業績がどうかも
見えてきますよね。
もちろん
事前に目標値を設定して
達成しかたどうかを
確認できるように
することも欠かせませんよ。
【編集後記】
次男の体調が思わしくないので
昨日は自宅で過ごす1日でした。
途中、次男のために
スーパーに買い出しに出かけた
のですが、
包装のデザインに思わず
こちら購入してしまいました。
味もなかなかよかったですよ(^^)
【昨日の1日1新】
・因島のはっさくゼリー