従業員などのマイナンバーを集める前にやるべきことは安全管理措置の準備をすることです。
マイナンバーを集める前に安全管理措置の準備をする
平成28年からのマイナンバー制度の開始に向けて、今年平成27年10月には住民票を持つ個人全員にマイナンバー(個人番号)が通知されます。
役員や従業員を抱える事業者であれば、これ以降、各自のマイナンバーを集めることができます。
従業員などからマイナンバーを集める時の注意事項は下記の記事で紹介しました。
従業員などからマイナンバーの提供を受けるときは本人確認が必要です。
https://balance-blog.com/Mynumber-Identification
あと、マイナンバーを集める前に準備しておくことがあります。
それは安全管理措置の準備です。
安全管理措置とは
「安全管理措置」
そう聞いても、イメージが涌かないですよね。
要は、マイナンバー(個人番号)やマイナンバーと一緒に管理している氏名や生年月日といった情報が、外部に漏れたり、紛失したりといったことが起きないような管理の方法を決めてください、ということです。
「安全管理措置」の内容は中小規模事業者かどうかで内容が変わります。
中小規模事業者であれば簡易的な方法を取ることが可能です。
中小規模事業者の定義はというと、事業年度末時点の従業員数が100人以下の事業者が該当します。
ただし、マイナンバーに関する業務の委託を受ける税理士事務所や社会保険労務士事務所は中小規模事業者に該当せず、原則的な対応が必要になります。
中小規模事業者の安全管理措置の内容は?
今回は中小規模事業者が採用できる簡易的な安全管理措置の内容を確認していきましょう。
次の6項目です。
1. 取扱規程を作る(こちらは義務ではありません)
マイナンバーを扱う手続きの流れや各段階ごとに具体的な取扱方法や責任者、担当者を決めておきます。
マイナンバーを扱う各段階とは、マイナンバーの取得、利用、保存、廃棄といった段階のことです。
2. 責任者や事務担当者を明らかにする
マイナンバーに関する責任者と事務担当者を明らかしておきます。
事務担当者が変更になった場合の引継ぎの際には責任者が確認できるようにします。
3. 運用記録の保全・チェック
マイナンバーをいつ取得した、どの業務に使用した、マイナンバーを記載した書類やデータをいつ、どこに持ち出したかといった記録を残しておく必要があります。
業務日誌等を付けて対応することが想定されていますが、システムの利用などで負荷が掛からないようにしたいところです。
また、マイナンバーを扱う業務の際にはチェックリストなどを使い、そのチェックリストなどを責任者が定期的にチェックしないといけません。
4. 危機管理
マイナンバーなどの情報が漏えいした場合に備え、従業員などから責任者への報告・連絡の体制を確認しておく必要があります。
5. 物理的安全管理
マイナンバーやマイナンバーを含む氏名、生年月日などの個人情報を記録したデータや書類を持ち出す時の管理です。
データであればパスワードを設定する、書類であれば封筒に封入し、鞄に入れて運ぶなど、紛失、盗難などを防ぐ対策を取らないといけません。
マイナンバーの記録を削除したり、マイナンバーが記載された書類を廃棄するばあいには責任者の確認が必要です。
6. 技術的安全管理措置(できる限りやっておくこと)
マイナンバーを含むデータを扱う機器を特定する必要があります。
複数のPCがあればマイナンバーにアクセスするPCを限定します。マイナンバーの保存は外付けのハードディスクや特定のPC、クラウドシステムなどが考えられますが、そのデータにアクセスするPCを限定するということです。
また、マイナンバーのデータを参照できる権限も責任者や担当者が使用しているPCのアカウントに限定しておく必要があります。
これだけの対応をするだけでも負担がありますね。
まとめ
マイナンバーを集める前には安全管理措置の準備が必要です。
今年平成27年の年末調整で従業員などからマイナンバーを集める場合、
8月から10月ごろには安全管理措置の内容を決めておかないといけません。
ただ、会計ソフトを提供する会社のマイナンバーに関するシステムなどもこの8月から9月に提供が開始されるので、システムの内容を見ながら安全管理措置を考えることになりそうです。
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【編集後記】
先月剪定をした事務所内のパキラです。
1ヶ月前の剪定直後がこちら。
頼もしい成長力です(^^)